
ワークライフバランスが崩れる働き方の特徴と対策

~その働き方、大丈夫?心と体を壊す前に考えたいこと~
はじめに
「朝から気が重い」「今日もまた残業か…」「せっかくの休日も、仕事のことが頭から離れない」
そんな状態が続いているなら、あなたのワークライフバランスはすでに崩れているかもしれません。
仕事に追われ、私生活がどんどん削られていくと、心も体も疲れ切ってしまいます。
この記事では、ワークライフバランスを壊してしまう“危ない働き方”の特徴と、すぐに実践できる対策を、実際のエピソードも交えながらお伝えします。
第1章:こんな働き方は危ない!ワークライフバランスが崩れるサイン
特徴①:長時間労働が“当たり前”になっている
事例:メーカー勤務・営業職(40代男性)
「繁忙期だけ」と聞いて入社したのに、実際はずっと忙しい。毎日21時すぎまで働きづめで、家では会話も減り、ついには奥さんに「このままだと離婚も考える」と言われたAさん。
→こうなると、仕事と生活の境目がなくなってしまい、心のゆとりがなくなっていきます。
特徴②:リモートなのにずっと“仕事モード”
事例:IT企業勤務・エンジニア(30代女性)
リモートワークが始まってから、深夜でもSlackに返事を求められるように。「反応が遅いとやる気がないと思われる」と感じ、家にいるのに全然休めない…。結果、体調を崩して休職へ。
→在宅勤務も、メリハリをつけないと“常に仕事”になってしまいます。
特徴③:有休も休みも「取りづらい」雰囲気
事例:外資系企業・管理職(50代男性)
「休んでいいよ」と言われても、「周りに迷惑がかかるかも」と思ってなかなか取れない。気づけば5年間で有休はほとんど使っておらず、休日もメールがバンバン飛んでくる。
→制度はあっても、使いづらい雰囲気があると、結局誰も休めません。
特徴④:「残ってる人がエライ」風潮
「遅くまで会社にいる=がんばっている」という空気。逆に、定時に帰ると「あいつだけ先に帰った」と陰口が…。
→時間で評価される職場では、効率よく働くほど損をしてしまいます。
第2章:バランスが崩れると、こんなリスクが…
●体と心が悲鳴をあげる
寝不足、肩こり、胃痛、めまい…といった体の不調が増えてきたら要注意。
心の面でも、ストレスや不安が募り、うつや燃え尽きの状態になってしまうことも。
●家族や友人との関係がギクシャクする
「仕事ばっかり」「話を聞いてくれない」とパートナーから不満が出たり、子どもとの時間が取れなかったり。友人との付き合いも減って、孤独感が増してしまうこともあります。
●仕事のパフォーマンスも落ちる
集中力が続かず、ミスが増えたり、成果が出なかったり。
皮肉なことに、「がんばっているのに評価されない」状態になりがちです。
第3章:どうすればいい?バランスを取り戻すための4つの対策
対策①:まずは“やらなくていいこと”を見つけよう
- 毎日の仕事を振り返って、「これ本当に必要?」を見直す
- 優先順位をつけて、“やらないこと”を決める勇気も大事
- タイムトラッキングツール(アプリ)を使って、時間の使い方を見える化
事例:広告代理店勤務・ディレクター(30代男性)
日々の作業を振り返ったところ、報告書作成に無駄が多いと判明。フォーマットを見直すことで、毎日2時間短縮。早く帰れるようになったことで、趣味の時間も復活。
対策②:プライベートの予定を“先に”入れる
- 家族との食事、子どものイベント、趣味の時間などをカレンダーに最初に入れておく
- 「その日は空いてるから仕事入れよう」ではなく、「この予定があるから仕事はこの時間まで」
事例:医療機器メーカー勤務・営業職(40代女性)
娘の塾の送り迎えを予定に入れたうえで、チームにも事前に共有。「言えば案外みんな協力してくれる」と実感。
対策③:職場の文化を少しずつ変えていく
- 自分から有休を取りやすい雰囲気をつくる
- 「長くいる=えらい」ではなく、「成果で評価しよう」という空気を広げる
- チーム全体で効率化を目指す
事例:スタートアップ勤務・PM(30代男性)
自らノー残業デーを提案し、導入。最初は戸惑いもあったが、半年後には残業が4割減り、売上はむしろアップ!
対策④:「逃げる」ことも大事な選択肢
- どうしても改善できない職場なら、転職も視野に
- 「逃げる=負け」ではなく、「自分を守る手段」と考える
- 柔軟な働き方ができる企業や、働き方改革に取り組んでいる会社を探す
事例:飲食業界からIT企業へ転職した女性(20代)
週6勤務・12時間労働の生活から、週休2日・残業ゼロへ。自分の時間を持てるようになり、「人生が取り戻せた」と語る。
第4章:企業の取り組みもカギになる
個人がどれだけ頑張っても、職場環境が改善しなければ限界があります。
企業側も、次のような取り組みが求められます。
- 無駄な業務を減らす仕組みづくり
- 成果重視の評価制度への転換
- 上司向けのマネジメント研修
- 有休を取りやすくする仕掛け
- メンタルヘルスのサポート体制
とくに中小企業では「うちは人手が足りないから」となりがちですが、人が辞めるほうがもっと大きな損失です。働きやすさは、採用・定着率にも直結します。
おわりに
働くことは大事。でも、働くために生きているわけじゃありません。
「このままで本当にいいのかな?」と感じているなら、まずは少し立ち止まってみましょう。
バランスを整えることは、甘えではありません。
それは、自分を大切にすること。自分の人生を取り戻すための、前向きな選択です。