
30代で「何者でもない自分」に焦ったときに、考えてほしいこと

「このままで、いいのかな」
「同年代はバリバリ活躍してるのに、自分は…」
「気づけば30代。でも、特にこれといった実績もない」
こう感じること、ありませんか?
キャリアも人生も、“正解”が見えづらくなる30代。周りと比べて焦ったり、不安になったり。そんな気持ちは、あなただけではありません。
でも、ちょっと立ち止まって、深呼吸して。
「自分はダメだ」と思い込む前に、考えてほしいことがあります。
この記事では、焦りを感じたときに心が少し軽くなるようなヒントを、事例も交えながらお届けします。
なぜ30代になると、焦りを感じやすいのか?
30代は、社会人としてある程度の経験を積んでいて、「そろそろ結果を出さなきゃ」と思い始める時期です。
SNSを見れば、「年収1000万円」「起業して成功」なんてキラキラした投稿が溢れていて…。
気づけば、「自分、何してるんだろう」と落ち込んでしまうことも。
でも、よく考えてみてください。
この“焦り”、どこから来ると思いますか?
実は多くの場合、焦りの原因は「他人との比較」です。
本当は自分のペースで歩けばいいのに、つい周りと比べて、自分を小さく見積もってしまう。
これって、とてももったいないことなんです。
【実例①】営業→コンサル転職に失敗。30代で再スタートを切った男性の話
佐藤さん(仮名・当時28歳)は、もっと成長したいと考えて、大手企業から外資系コンサル会社に転職しました。
けれど、職場の雰囲気や求められるスピード感に馴染めず、半年で退職。
そこから2年間、アルバイト生活に。
30歳を迎えた頃、彼はこう思ったそうです。
「自分には何もない…。30代になったのに、キャリアも実績も空白だ」
でもある日、ふと気づいたんです。
「営業時代の経験も、短いけどコンサルで学んだことも、ゼロにはなってない」って。
そこから自分のスキルや強みを整理し直し、転職エージェントの力も借りながら転職活動を再開。
32歳でSaaS企業のインサイドセールスに採用され、今ではチームリーダーとして活躍しています。
佐藤さんは言います。
「あのとき、確かに焦ってた。でも行動してみて、自分にもできることがあるってわかったんです」
「何者でもない」と感じたあの頃が、後から思えば大きな転機だったのかもしれません。
「何者か」になる必要って、あるの?
そもそも、私たちはなぜ「何者か」になりたがるんでしょう?
年収? 肩書き? 名声?
もしかしたらそれって、「他人からすごいと思われたい」という気持ちから来ているのかもしれません。
でも、外からの評価ばかりを追いかけても、本当に心から満たされるとは限りませんよね。
「自分は、自分でOK」と思えること。
これがないと、どんなに周りから認められても、虚しさは消えないものです。
【実例②】10年目の大手社員が、評価されなくて悩んだ話
田中さん(仮名・35歳)は、大手通信会社で10年勤めていました。
安定した年収、手厚い福利厚生、順調なキャリアに見えるけれど、彼の心にはモヤモヤがありました。
「後輩は昇進してるのに、自分は評価されない。このままでいいんだろうか…」
そんなある日、社内異動でカスタマーサクセスの部署に。
最初は戸惑ったものの、「人の話をじっくり聞ける」「冷静に対応できる」という自分の長所が活き、半年後には社内表彰を受けました。
田中さんは言います。
「今までは“花形部署にいないと意味がない”と思ってました。でも、自分に合う場所なら、ちゃんと評価されるんだなって」
“何者か”にならなくても、自分の良さが認められる場所は、きっとあります。
外見より「どう生きたいか」を大事にしよう
焦りを感じると、つい「とにかく何かやらなきゃ」と外側ばかりに意識が向いてしまいがちです。
転職、資格、副業、SNS発信…。
もちろん、行動すること自体は素晴らしいことです。でも、その動機が「周りにすごいと思われたい」だけだったら、どこかでまた虚しさを感じてしまうかもしれません。
そんなときは、こんなふうに問いかけてみてください。
- 自分は、どんなときに楽しいと感じる?
- どんな人たちと働きたい?
- どんな日常を送りたい?
「どんな仕事か」より、「どんな人生を送りたいか」にフォーカスすることで、自分らしい選択が見えてくるはずです。
【実例③】趣味をきっかけに副業からキャリアを切り開いた女性
吉田さん(仮名・37歳)は、子育てが落ち着いて再就職を目指していましたが、なかなか思うようにいきませんでした。
そんなとき、趣味で続けていたハンドメイド作品をネットで販売してみたところ、予想以上に好評。
「もしかして、これを仕事にできるかも」と思い、副業として本格的に取り組むように。
SNSやネットショップの運営方法を学び、試行錯誤を重ねた結果、2年後には月収20万円以上に。
今では自宅で働きながら、自分らしい働き方を実現しています。
「以前は“何者でもない”ことが不安だったけど、今は“好きなことで誰かに喜ばれる”のが嬉しい。これが私にとっての“働く”なんだなって思えます」
自分の「好き」や「得意」を信じて一歩踏み出すことで、思いがけない未来が開けることもあるんです。
焦ったときこそ、自分をちゃんと見てあげよう
焦りや不安を感じるのは、決して悪いことではありません。
それは「今のままじゃダメだ」と思える、ポジティブなサインとも言えます。
そんなときは、まずこの3ステップを意識してみてください。
① 過去を棚卸ししてみる
今までどんな仕事をしてきた? 何が得意だった? 何が好きだった?
書き出してみると、自分の強みが見えてくるはずです。
② 今の自分にOKを出す
たとえうまくいってない時期でも、その経験が“のちの強み”になることはよくあります。
今のあなたも、ちゃんと価値があります。
③ 未来の自分をイメージしてみる
理想の1年後、5年後を想像してみましょう。ぼんやりでもOK。思い描くことで、そこに向かって歩けるようになります。
最後に:今のあなたは、「まだまだ可能性の途中」
30代で「何者でもない」と感じるのは、けっして遅れてるわけじゃありません。
むしろそれは、「まだ何にでもなれる」可能性の途中。
焦る気持ちも、比べてしまう気持ちも、全部あっていい。
でも、その中でも「自分はどう生きたいか」を大切にしてほしい。
肩書きがなくても、キラキラしていなくても、あなたにはあなたにしかない価値があります。
焦りを原動力にして、少しずつでも動いてみましょう。未来はきっと変わっていきます。