配偶者が転職に反対するときのNG対応と、説得成功のパターン

2025.6.19
コラム

~実例から学ぶ「うまく伝えるコツ」とは?~

転職を考えるとき、いちばん最初に立ちはだかる“壁”が、「配偶者の反対」かもしれません。

「今の会社を辞めたいけど、パートナーが納得してくれない」
「やりがいを求めて転職したいのに、『今じゃない』って言われる…」

こんなふうに、“自分の思い”と“家族の不安”の間で揺れている人は少なくありません。

今回は、「配偶者に反対されたときにやってはいけない対応」と、「納得してもらうための成功パターン」を、実例を交えて紹介していきます。


なぜ、パートナーは転職に反対するのか?

配偶者が転職に反対するとき、ただ「感情的に反対している」というわけではありません。多くは、こんな不安を抱えているからです。

  • 給料が下がるんじゃないか
  • 転職先は本当に安定してるの?
  • 将来、ちゃんと生活していけるの?
  • 今じゃなくてもいいんじゃない?
  • これまで築いてきたキャリアがもったいない

つまり、反対の裏には「生活や将来への心配」があるんです。

自分では「前向きな転職」だと思っていても、伝え方次第で「わがまま」「勢いだけ」と受け取られてしまうこともあります。


やってはいけない!3つのNG対応

1. 「俺の人生なんだから、黙っててくれ」

このような言い方をしてしまうと、「自分勝手」「家族を大事にしていない」と思われてしまいます。

結婚して家族を持った以上、人生は“ひとりのもの”ではありません。
「自分の人生=家族の人生」と考えて行動しないと、信頼はすぐに崩れてしまいます。


2. 「もう内定出たから、辞めるね」と事後報告

相談をすっ飛ばして、いきなり「決まったから辞める」と報告するのは、大きなNG。

相手からすると、「自分は何も聞かされてなかった」「勝手に進められていた」と感じますよね。

特に結婚している場合、転職は家族全体に関わる大きな出来事。報告ではなく“相談”が基本です。


3. 「今の仕事が嫌だから」と感情論で押す

「もう限界だから辞めたい」「毎日しんどいから転職したい」――この気持ち自体は、とてもよく分かります。

でも、「嫌だから辞める」という理由だけを前面に出すと、「逃げてるだけなんじゃない?」と思われてしまうことも。

転職には、“嫌だから”だけでなく“これからどうしたいのか”という未来の話もセットで伝えることが大切です。


実際にあった、説得成功のパターン

ここからは、実際に配偶者の反対を乗り越えて転職に成功した人たちのエピソードを紹介します。

ケース①:年収ダウンでも納得を得られたAさん(37歳・男性)

Aさんは外資系の営業マネージャー。高収入だったものの、激務とストレスで心身に限界を感じていました。

ある日、「もう少し家族との時間が持てる会社に行きたい」と中堅企業への転職を決意。しかし、奥さまは大反対。「なんでわざわざ年収下げるの?」と。

Aさんは、まず夫婦で家計を一緒に見直しました。
そのうえで「年収は下がるけど、残業がなくなって、家族の時間が増える」「5年後には役職も狙える」と、転職後のプランを丁寧に伝えました。

最終的に、「家族の時間を大切にしたいという気持ちが伝わった」と、奥さまの考えも変わり、転職を応援してくれたそうです。


ケース②:事後報告で信頼を失いかけたBさん(42歳・男性)

Bさんは中小企業で営業課長をしていました。たまたま魅力的なスカウトが来て、勢いで面接に行き、内定もゲット。

ただ、奥さまには一切相談せず、決まってから「会社辞めることにした」と報告。案の定、大激怒。

一時は「そんな勝手な人とはやっていけない」と家庭崩壊の危機に…。

そこでBさんはすぐに謝罪。「本当にごめん。相談すべきだった」と反省の言葉を伝えたうえで、転職先の条件・企業の安定性・将来のキャリアについて資料を交えて丁寧に説明しました。

1週間ほどしっかり話し合いを重ね、最終的には「あなたの人生も応援したい」と受け入れてくれたそうです。


ケース③:働き方を見直したいCさん(35歳・女性)

Cさんは広告代理店の企画職。第一子の出産後も時短勤務をしながらフル回転で働いていましたが、家庭との両立に限界を感じて転職を考えるように。

ところが夫からは「せっかく築いたキャリアがもったいない」と否定的な反応が返ってきました。

Cさんは感情的にならず、まずは「1年間だけ、働き方を変えてみたい」と“期間限定のチャレンジ”を提案。

さらに、「副業やフリーランスでもスキルが活かせる」「この選択がキャリアダウンではなく、再構築になる」と、前向きな未来像を説明しました。

その姿勢に夫も納得。「応援するよ」と背中を押してくれたそうです。


パートナーを説得するための3ステップ

配偶者の反対に直面したとき、いきなり説得しようとせず、この3つのステップを意識してみてください。


ステップ①:まずは相手の不安をしっかり聞く

いきなり自分の希望をぶつける前に、相手の気持ちを受け止めましょう。
「なんで反対なの?」と詰めるのではなく、「どこが気になってる?」と聞くことが大事です。


ステップ②:数字や情報で“見える化”する

  • 給料はどう変わるのか?
  • 勤務時間や休日はどうなるのか?
  • 将来的な昇給やキャリアの可能性は?

こうした点を、できるだけ具体的に説明しましょう。情報が見えると、不安が減ります。


ステップ③:「ふたりで決める」という姿勢を見せる

一番大切なのは、「一緒に考えたい」という気持ちをちゃんと伝えることです。

「もう決めたから」「俺の人生だから」ではなく、「ふたりの未来だから一緒に決めたい」と言えるかどうか。そこが信頼を築くカギです。


最後に:反対は「終わり」ではなく「始まり」

パートナーが転職に反対するのは、あなたのことを心配しているからです。
だからこそ、正面から話し合えば、必ず道は開けていきます。

すれ違いではなく、未来を語るきっかけに。
あなたの思いや理想を、家族と一緒に育てていけるような転職を、目指してみてください。


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