
出世したくない自分は甘え?“昇進しない働き方”のリアルと選択肢

「出世なんてしたくない」
そう思っていても、「それって甘えなの?」「やる気がないと思われる?」と不安になることはありませんか?
特に30代~40代になると、「そろそろ管理職になるべきじゃないの?」という空気を感じる場面が増えてきますよね。
この記事では、「出世したくない」という気持ちは本当にダメなことなのか、そして昇進しないという選択にどんな働き方の可能性があるのかを、具体的な事例を交えてご紹介します。
「出世したくない」は甘えじゃない
昇進を望まない理由はいろいろ
「出世したくない」と感じる理由は人それぞれですが、よくあるものを挙げてみると…
- 責任が重くなるのが不安
- 部下をまとめるのが苦手
- プライベートの時間を大切にしたい
- 管理職になっても収入が思ったより増えない
- 現場で仕事をするのが好き
こういった気持ちは、決して甘えではありません。自分の価値観やライフスタイルを大事にした“合理的な判断”とも言えます。
出世=成功、はもう古い?
かつては「出世=成功」「管理職になる=一人前」という価値観が当たり前でした。でも今は、働き方もキャリアの考え方も多様化しています。
出世だけがゴールじゃない。そんな時代に私たちは生きています。
事例①:営業として昇進を断った30代男性の選択
田中さん(仮名・32歳)は、営業として優秀な成績を残し、課長への昇進を打診されました。でも、彼はそれを丁寧に断りました。
「お客様と直接向き合う現場の仕事が好きなんです。マネジメントに回るより、プレイヤーでいたいと思いました」
その気持ちを伝えた結果、彼は「シニア営業スペシャリスト」という新しい役職を提案され、現場にとどまりながら年収もアップ。営業のプロとしての道を歩み続けています。
▷ 管理職だけが評価される時代ではない
最近は、専門性を高める「スペシャリスト職」など、マネジメント以外にも評価される仕組みを整える会社が増えています。
事例②:育児と両立するため昇進を選ばなかった40代女性のケース
鈴木さん(仮名・42歳)は、人事部の係長。第2子の出産後、部長への昇進を打診されましたが、今回は見送ってほしいと自ら申し出ました。
「部長になると残業や出張が増えてしまう。子どもとの時間を大切にしたくて、今は無理のない働き方を選びました」
現在は、人材育成や制度設計といった重要な仕事を担いながら、職場の信頼も集めています。
▷ 今は昇進しない、もアリな選択
「今は管理職にならない」という判断も、人生のフェーズによっては正解。無理せず働き続けることが、結果的に長く活躍することにもつながります。
出世しない場合の、4つの選択肢
「出世しない=キャリアが止まる」と思われがちですが、実はそうでもありません。こんな選択肢があります。
① スペシャリストとして力をつける
- 実務スキルや専門知識を磨く
- 資格取得や勉強会でスキルアップ
- 「この分野ならこの人」と言われる存在に
② 社内での異動や職種チェンジ
- 他の部署で力を発揮する
- 自分に合った仕事を選び直す
- 社内公募制度などを使ってキャリアの再設計を
③ 副業・パラレルキャリアで自分らしく働く
- 副業でやりたいことを実現
- 本業に縛られない柔軟な働き方
- 副業の経験が本業にもプラスになることも
④ 転職で「出世しない働き方」を選ぶ
- 専門性を評価してくれる企業へ
- マネジメント以外にも評価軸がある会社を選ぶ
- 「昇進=成功」ではないカルチャーの会社を探す
出世しない働き方に潜む注意点
もちろん、昇進しないという選択には注意点もあります。
◆ 評価や年収に限界がある場合も
会社によっては、「管理職にならないと給与が頭打ち」というケースもあります。
→ 対策:
・自分の会社の評価制度を理解しておく
・昇給や評価の仕組みをあらかじめ相談しておく
◆ 周囲の目が気になることも
「出世を断る=やる気がない」と誤解されるリスクも。
→ 対策:
・自分のキャリアの考え方を上司にしっかり伝える
・目の前の仕事でしっかり成果を出し続ける
まとめ:出世がすべてじゃない。自分らしいキャリアを選ぼう
「出世したくない自分って、やる気がないのかな?」
そんなふうに悩む必要はありません。
今は、働き方もキャリアの形もどんどん多様化しています。出世を目指すのも一つの選択。でも、あえて目指さないことも、立派な選択肢のひとつです。
大事なのは、「周りがどう思うか」ではなく、自分が納得できるかどうか。
現場で腕を磨き続ける働き方もあれば、育児や介護と両立するスタイル、副業で新しい挑戦をする人もいます。出世だけがキャリアのゴールではありません。
あなた自身が「これでよかった」と思える働き方を選ぶこと。それが、これからの時代の“キャリア成功”なのだと思います。