IT業界でも賃金格差が?スキルと年収が一致しない理由とは

2025.6.17
コラム

「自分よりスキルがない人の方が年収が高いなんて…」「あれだけ働いて成果も出してるのに、評価されていない気がする」
こんなモヤモヤを感じているIT業界の方、多いのではないでしょうか?

一見、実力主義に見えるIT業界ですが、スキルと年収が一致しない現実はたしかに存在します。
今回はその理由を掘り下げながら、実際の事例も交えて、納得のいくキャリアと報酬を得るためのヒントをお届けします。


スキル=高年収ではない現実

たとえば、AIやPythonの知識に長けていて、難易度の高いシステム開発もこなせるAさんが年収500万円。
一方、技術的にはそこまで詳しくないけれど、マネジメントをしているBさんが年収850万円。

こうした逆転現象、実はめずらしくありません。
スキルが高ければ収入も高いはず――と思いがちですが、現実はそんなにシンプルじゃないのです。


スキルと年収がズレる5つの理由

1. 技術力より“ビジネスへの貢献度”が重視される

企業が評価するのは、「どれだけ高度な技術を持っているか」よりも、それがどれだけ売上や利益に結びつくかです。

たとえば、技術はそこそこであっても、クライアントとの折衝やチームの統括ができる人は、会社のお金の流れに近いポジションにいます。
結果として、評価も年収も上がりやすいんです。

技術力=作る力
ビジネス力=売る力

企業が重視するのは「売る力」の方だったりします。


2. 収益に直結する仕事かどうかで差がつく

社内システムを作るエンジニアと、クライアント向けのサービスをリードするプロジェクトマネージャーでは、収入の差が出やすいのは想像できますよね。

前者は「コスト削減」に貢献しているけれど、後者は「売上アップ」に貢献している。
収益との距離感が違うと、会社からの評価も変わってきます。


3. スキルの希少性で“市場価値”は変わる

たとえスキルが高くても、そのスキルを持っている人が市場にたくさんいれば、価値は高くなりません。
逆に、「その人しかできないこと」があれば、一気に市場価値は跳ね上がります。

たとえばこんな人たち:

  • 英語で外資系クライアントと交渉できるPM
  • プロダクト開発からマーケティングまで経験しているスタートアップ人材
  • セキュリティと経営戦略、両方わかるCTO候補

このような**“掛け算スキル”**を持っていると、「この人じゃないとダメ」というポジションが取れるんです。


4. 評価制度がスキル型に対応していない

特に大企業や古い体制の会社では、「管理職にならないと昇給できない」という構造がまだまだ残っています。

いくら技術スキルがあっても、マネジメントをしない限り、昇格・昇給の道が閉ざされてしまうことも。

結果として:

  • 技術が評価されにくい
  • プレイヤーとしての成長が止まる
  • 本当は開発が好きなのに、昇給のために管理職へ

こんな“もったいない状況”に陥ってしまう人も多いです。


5. 自分の価値を“うまく伝えられていない”

意外と多いのが、「頑張ってるけど、評価されない」という人。

その原因は、成果をきちんと“見える化”して伝えていないことだったりします。

たとえば:

  • どんな課題をどう解決したか
  • どれだけコストを削減したか
  • クライアントからどんなフィードバックをもらったか

こうした情報を数字や具体例で伝えることで、「この人は会社に貢献している」と認識してもらえます。


事例紹介① 技術力トップでも年収が伸びなかったAさん

Aさんは、ReactもNode.jsもAWSも扱えるスーパーエンジニア。社内でも技術面で頼られる存在でした。

それでも、年収は450万円。

理由はシンプルで、

  • 自社サービスの開発で売上に直結しないポジション
  • 評価制度がマネジメント偏重型
  • 成果をアピールせず、ただ“仕事をこなす”スタイル
  • 昇給の交渉経験なし

これでは評価が上がりにくいのも無理はありません。

その後、スタートアップに転職し、開発×企画のハイブリッド職種へ。
わずか1年で年収は750万円にアップしました。


事例紹介② 文系出身のBさんが高年収を実現した理由

一方、Bさんは技術畑ではなく文系出身。
でも、複数のプロジェクトでクライアントとの調整や進行管理を担当し、マネジメント力に長けていました。

Bさんが意識していたのは、成果を“数字”で伝えること

  • 納期遵守率
  • 予算内完了率
  • 顧客満足度

こうした指標を使って、「何をしたか」ではなく「どう貢献したか」をわかりやすく伝えていたのです。

その結果、年収は800万円を超える水準に。
伝え方ひとつで評価は大きく変わることを証明する好例です。


スキルと年収を一致させるためにできること

「スキルがあるのに年収が低い」と感じているなら、以下のアクションを検討してみてください。

1. 売上に近い仕事を選ぶ

営業や企画、プロダクトマネジメントなど、“お金の動く場所”に近い仕事は評価されやすいです。
技術一本でいくにしても、どの業務が売上に直結するかは常に意識しておくと◎。

2. 成果を定量的に見せるクセをつける

数字や具体的なエピソードを用いて、自分の成果を“見える化”しましょう。
レポートでも1on1でも、自分から伝える姿勢が大事です。

3. 希少性のあるスキルをかけ合わせる

「開発×英語」「インフラ×ビジネス戦略」「PM×マーケティング」など、他に代わりのいない人材になることを意識すると、市場価値が一気に高まります。

4. 環境を変えることも選択肢に

いまの会社で評価されないなら、思い切って転職も視野に。
評価制度や報酬体系が自分に合っている環境に移ることで、年収が100〜200万円上がることも珍しくありません。


まとめ:スキルだけじゃない“評価される力”を育てよう

IT業界においても、スキルと年収が一致しないのはよくあること。
でもその裏には、「何が評価されるのか」を知らずに損しているケースが多いんです。

スキルを磨くだけでなく、どんな環境で働くか・どう伝えるかまで意識していけば、あなたの価値はきちんと報われます。

「実力に見合った評価がほしい」と思っているなら、今日から行動を変えてみましょう。
きっとキャリアと収入の流れが変わってくるはずです。


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