
IT業界でも賃金格差が?スキルと年収が一致しない理由とは

「自分よりスキルがない人の方が年収が高いなんて…」「あれだけ働いて成果も出してるのに、評価されていない気がする」
こんなモヤモヤを感じているIT業界の方、多いのではないでしょうか?
一見、実力主義に見えるIT業界ですが、スキルと年収が一致しない現実はたしかに存在します。
今回はその理由を掘り下げながら、実際の事例も交えて、納得のいくキャリアと報酬を得るためのヒントをお届けします。
スキル=高年収ではない現実
たとえば、AIやPythonの知識に長けていて、難易度の高いシステム開発もこなせるAさんが年収500万円。
一方、技術的にはそこまで詳しくないけれど、マネジメントをしているBさんが年収850万円。
こうした逆転現象、実はめずらしくありません。
スキルが高ければ収入も高いはず――と思いがちですが、現実はそんなにシンプルじゃないのです。
スキルと年収がズレる5つの理由
1. 技術力より“ビジネスへの貢献度”が重視される
企業が評価するのは、「どれだけ高度な技術を持っているか」よりも、それがどれだけ売上や利益に結びつくかです。
たとえば、技術はそこそこであっても、クライアントとの折衝やチームの統括ができる人は、会社のお金の流れに近いポジションにいます。
結果として、評価も年収も上がりやすいんです。
技術力=作る力
ビジネス力=売る力
企業が重視するのは「売る力」の方だったりします。
2. 収益に直結する仕事かどうかで差がつく
社内システムを作るエンジニアと、クライアント向けのサービスをリードするプロジェクトマネージャーでは、収入の差が出やすいのは想像できますよね。
前者は「コスト削減」に貢献しているけれど、後者は「売上アップ」に貢献している。
収益との距離感が違うと、会社からの評価も変わってきます。
3. スキルの希少性で“市場価値”は変わる
たとえスキルが高くても、そのスキルを持っている人が市場にたくさんいれば、価値は高くなりません。
逆に、「その人しかできないこと」があれば、一気に市場価値は跳ね上がります。
たとえばこんな人たち:
- 英語で外資系クライアントと交渉できるPM
- プロダクト開発からマーケティングまで経験しているスタートアップ人材
- セキュリティと経営戦略、両方わかるCTO候補
このような**“掛け算スキル”**を持っていると、「この人じゃないとダメ」というポジションが取れるんです。
4. 評価制度がスキル型に対応していない
特に大企業や古い体制の会社では、「管理職にならないと昇給できない」という構造がまだまだ残っています。
いくら技術スキルがあっても、マネジメントをしない限り、昇格・昇給の道が閉ざされてしまうことも。
結果として:
- 技術が評価されにくい
- プレイヤーとしての成長が止まる
- 本当は開発が好きなのに、昇給のために管理職へ
こんな“もったいない状況”に陥ってしまう人も多いです。
5. 自分の価値を“うまく伝えられていない”
意外と多いのが、「頑張ってるけど、評価されない」という人。
その原因は、成果をきちんと“見える化”して伝えていないことだったりします。
たとえば:
- どんな課題をどう解決したか
- どれだけコストを削減したか
- クライアントからどんなフィードバックをもらったか
こうした情報を数字や具体例で伝えることで、「この人は会社に貢献している」と認識してもらえます。
事例紹介① 技術力トップでも年収が伸びなかったAさん
Aさんは、ReactもNode.jsもAWSも扱えるスーパーエンジニア。社内でも技術面で頼られる存在でした。
それでも、年収は450万円。
理由はシンプルで、
- 自社サービスの開発で売上に直結しないポジション
- 評価制度がマネジメント偏重型
- 成果をアピールせず、ただ“仕事をこなす”スタイル
- 昇給の交渉経験なし
これでは評価が上がりにくいのも無理はありません。
その後、スタートアップに転職し、開発×企画のハイブリッド職種へ。
わずか1年で年収は750万円にアップしました。
事例紹介② 文系出身のBさんが高年収を実現した理由
一方、Bさんは技術畑ではなく文系出身。
でも、複数のプロジェクトでクライアントとの調整や進行管理を担当し、マネジメント力に長けていました。
Bさんが意識していたのは、成果を“数字”で伝えること。
- 納期遵守率
- 予算内完了率
- 顧客満足度
こうした指標を使って、「何をしたか」ではなく「どう貢献したか」をわかりやすく伝えていたのです。
その結果、年収は800万円を超える水準に。
伝え方ひとつで評価は大きく変わることを証明する好例です。
スキルと年収を一致させるためにできること
「スキルがあるのに年収が低い」と感じているなら、以下のアクションを検討してみてください。
1. 売上に近い仕事を選ぶ
営業や企画、プロダクトマネジメントなど、“お金の動く場所”に近い仕事は評価されやすいです。
技術一本でいくにしても、どの業務が売上に直結するかは常に意識しておくと◎。
2. 成果を定量的に見せるクセをつける
数字や具体的なエピソードを用いて、自分の成果を“見える化”しましょう。
レポートでも1on1でも、自分から伝える姿勢が大事です。
3. 希少性のあるスキルをかけ合わせる
「開発×英語」「インフラ×ビジネス戦略」「PM×マーケティング」など、他に代わりのいない人材になることを意識すると、市場価値が一気に高まります。
4. 環境を変えることも選択肢に
いまの会社で評価されないなら、思い切って転職も視野に。
評価制度や報酬体系が自分に合っている環境に移ることで、年収が100〜200万円上がることも珍しくありません。
まとめ:スキルだけじゃない“評価される力”を育てよう
IT業界においても、スキルと年収が一致しないのはよくあること。
でもその裏には、「何が評価されるのか」を知らずに損しているケースが多いんです。
スキルを磨くだけでなく、どんな環境で働くか・どう伝えるかまで意識していけば、あなたの価値はきちんと報われます。
「実力に見合った評価がほしい」と思っているなら、今日から行動を変えてみましょう。
きっとキャリアと収入の流れが変わってくるはずです。