
50代からのキャリアをどう描く?

役職定年と早期退職という選択肢
こんにちは。今回は「役職定年」と「早期退職」についてのお話です。
最近、会社でこんな声をよく聞きませんか?
「55歳になったら部長職を外れるって言われた…」
「今のうちに辞めれば退職金が多めにもらえるらしいけど、どうしよう…」
働き方が多様化する中で、特に50代のビジネスパーソンにとって「この先どう働くか」はとても大きなテーマになっています。
この記事では、実際の事例も交えながら、役職定年や早期退職を迎えるタイミングで何を考え、どんな行動を取るべきかを、一緒に考えてみたいと思います。
「役職定年」ってなに?
まず「役職定年」とは、ある年齢(多くは55歳くらい)になると、部長や課長といった役職を外れる仕組みのこと。最近では、多くの大企業がこの制度を導入しています。
役職を外れても会社には残れるので、一見すると“安心”にも思えますが、実際には…
- 年収が下がる
- 発言権が減る
- 「ポストのない自分」に自信を失う
といった悩みを抱える人が多いのが現実です。
【事例1】55歳で役職を外れた営業部長の苦悩
佐藤さん(仮名・58歳)は、大手メーカーで長年営業部長を務めていました。部下からも信頼され、実績も十分。ですが、55歳の誕生日を迎えたとき、会社の規定により役職を外れることに。
業務の内容はほとんど変わらないのに、給料は大きく下がり、会議での発言の影響力も激減。「会社にとって自分はもう必要ないのかも」と感じるようになり、モチベーションも落ちていきました。
その結果、彼は早期退職を選び、会社を去ることになります。
「早期退職」というもう一つの選択
早期退職とは、定年(通常は60歳や65歳)を待たずに、会社を辞める制度のこと。最近は45歳以上を対象に「希望退職」を募集する企業も増えてきました。
会社側は、
- 若返りを図りたい
- 人件費を抑えたい
という理由で行うことが多いですが、社員にとっては、
- キャリアを見直すチャンス
- 独立や転職のタイミング
- 割増退職金を得られる可能性
といった「前向きな転機」にもなり得ます。
【事例2】53歳で早期退職し、自由な働き方へ
高橋さん(仮名・53歳)は、IT企業でシステム開発に長く携わってきました。ある日、会社から「希望退職の募集」があり、条件としては「割増退職金+キャリア支援サービス」。
彼は悩んだ末、「今ならまだ体力もスキルもある。チャンスは今しかない」と決断。会社を辞めた後はフリーランスのITコンサルタントとして独立し、複数の企業と契約して活躍中です。
「時間に縛られず、好きな人たちと仕事ができている今の方が楽しい」と話しています。
なぜ、こうした制度が増えているのか?
役職定年や早期退職が広がっている背景には、こんな理由があります:
- 少子高齢化で働き手が減っている
- 終身雇用や年功序列の仕組みが時代に合わなくなっている
- 企業の経営環境がよりシビアになっている
つまり、会社も「ずっと同じ形では成り立たない」と感じているのです。
ただし、これらの制度がうまく機能するためには、社員を“切り捨てる”のではなく、“活かす”という視点が必要です。
会社に求められる工夫
会社側がすべきことは、「役職を外れたら終わり」ではなく、「その後も活躍できる場」を作ることです。
たとえば…
- 専門性を活かせる仕事を用意する
→ 現場支援、後進育成、プロジェクトアドバイザーなど - 再挑戦の機会を設ける
→ 年齢に関係なく意欲ある人が再びマネジメント職に就ける仕組み - セカンドキャリア支援を手厚くする
→ 転職支援や資格取得、起業相談など
こういった取り組みが、社員のやる気にもつながります。
一人ひとりが考えておきたいこと
とはいえ、会社任せにせず、自分自身でもキャリアを考えておくことが大切です。
50代は「これまでの経験」と「これからの生き方」をつなぐタイミング。以下のようなことを意識してみましょう。
- 自分の強みや経験を棚卸しする
→ どんなスキルや実績があるか、言葉で説明できますか? - 学び直し(リスキリング)にチャレンジする
→ AI、DX、英語、資格など、これからの市場価値を意識して学ぶ - 社外とのつながりを持つ
→ セミナー参加、SNS、地域活動など、新しい世界に出会える場を増やす
まとめ:50代からのキャリアは「再スタート」できる
役職定年も早期退職も、不安な気持ちになるのは当然です。でも、そこで立ち止まってしまうか、一歩踏み出すかで、その後の人生は大きく変わります。
人生100年時代。50代はまだ折り返し地点。むしろ「これから何をするか」で、人生の充実度は決まってきます。
- 今の会社で、どんな形で貢献できるか
- 他のフィールドでもっと力を発揮できる場所はないか
- 自分が本当にやりたいことは何か
そんな問いを持ち、柔軟にキャリアを描いていくことが、これからの時代には必要です。
最後に
どんな選択肢をとるにしても、大切なのは「自分で選んだ」と胸を張れること。年齢に関係なく、挑戦できる社会へ。
あなたのこれからのキャリアが、実りあるものになることを心から応援しています。