「採用後のミスマッチ退職を防ぐ!PASONAの法則を使った定着サポートと成功事例」

2025.4.16
コラム

はじめに

採用後に「やっぱり会社が合わない」と辞めてしまう社員が多い…とお悩みの人事担当者の方も多いのではないでしょうか。せっかく時間とコストをかけて採用したのに、ミスマッチが原因で早期退職されてしまうのはとても残念ですよね。

今回は、PASONAの法則を採用と定着サポートに活用する方法を紹介します。この法則を上手に使えば、ミスマッチを減らして早期離職を防ぐ効果が期待できます。実際の成功事例も交えて、具体的な実践方法をお伝えします。

 PASONAの法則とは?

「PASONAの法則」は、マーケティングや営業でよく使われる手法です。相手の悩みや希望に寄り添いながらメッセージを伝え、最終的に行動を促す流れをつくることが目的です。人事採用や定着支援にも応用できるので、求職者に自社の魅力をわかりやすく伝え、入社後のギャップを減らすために役立てることができます。

PASONAの法則は、以下の5つのステップから成り立っています。

1. Problem(問題提起) – 応募者が抱えている悩みや理想のキャリアを把握し、確認する

2. Agitation(共感) – 応募者の悩みや希望に共感し、会社側がそれを理解していると伝える

3. Solution(解決策) – その悩みに対して会社が提供できる具体的な解決策を示す

4. Narrow down(限定) – 募集ポジションや求める人物像を明確にして絞り込む

5. Action(行動喚起) – 採用後の定着を促す具体的なサポートや行動を伝える

 各ステップの実践ポイント:採用後のミスマッチを防ぐには?

それでは、PASONAの法則を実際に採用活動や定着サポートにどう活用できるか、1つずつ詳しく見ていきましょう。

 1. 問題提起(Problem)

まずは、求職者が「転職を考える理由」や「理想とする働き方」をしっかり聞き出し、理解することが大切です。入社後にギャップが生まれないよう、求職者がどんなことを求めているのかを把握することで、入社後のミスマッチを防ぐ土台をつくります。

実践例:

– 面接で「どんな働き方が理想ですか?」や「職場で大切にしたいことは何ですか?」と質問して、求職者がどのような価値観や条件を重視しているかを確認する。

– 求職者の希望と企業側が提供できる環境が合っているかを、具体的に照らし合わせてみる。

成功事例:

あるIT企業では、入社後に仕事内容や職場環境にギャップを感じる社員が多く、早期退職が問題になっていました。そこで、面接で「実際に想定される業務内容」について詳しく説明し、求職者のイメージを具体化するよう工夫しました。その結果、入社後のギャップが減り、定着率が約15%向上しました。

 2. 共感(Agitation)

次に、求職者の不安や悩みに共感し、「この企業は自分の悩みを理解してくれる」と感じてもらうことが重要です。面接や説明の場で共感を示すことで、求職者が安心して入社後のイメージを膨らませることができます。

実践例:

– 面接で「転職を考えた理由や今のお悩み」を丁寧に聞き取り、応募者が重視しているポイントに対して企業側の理解を示す。

– 「過去の職場で困難だったこと」や「今後のキャリアで重視したいこと」を聞き、企業のサポート体制を具体的に伝える。

成功事例:

ある大手メーカーでは、技術職の定着率が低いことが課題でした。そこで面接で求職者の過去の課題や職場に対する理想を詳しく聞き、企業の文化やキャリア支援体制がそれらに合っていることを説明しました。その結果、入社後のミスマッチが減り、定着率が改善しました。

 3. 解決策(Solution)

共感を示した後は、求職者の不安や課題に対して「会社としてどう解決できるか」を具体的に伝えます。応募者が「ここなら大丈夫かも」と思えるよう、企業のサポート体制やキャリア支援制度をしっかり紹介しましょう。

実践例:

– キャリア支援制度や研修プログラムの内容を具体的に伝え、「成長できる環境が整っている」ことをアピールする。

– フィードバック体制や相談できるメンター・上司の存在を紹介し、入社後の支援が手厚いことを示す。

成功事例:

ある商社では、若手社員の定着を強化するため、定期的なメンター制度を設けました。採用段階でこの制度について説明し、「成長を支援してくれる環境がある」と安心してもらった結果、若手社員の定着率が25%向上しました。

 4. 限定(Narrow down)

採用の段階で「求める人物像」や「具体的な職務内容」を明確にしておくことも、ミスマッチ防止には重要です。採用活動では、応募者がどのような職務に就き、どのような文化の中で働くのかを正確に伝えることで、ミスマッチが起こりにくくなります。

実践例:

– 求人票や面接で、具体的な仕事内容やチームの特色をしっかり伝え、「この職種で求められるスキルやマインド」を具体的に説明する。

– 面接プロセスで、応募者が会社の文化や価値観にフィットするかどうかを見極め、行動特性や価値観の確認をする。

成功事例:

ある外資系企業は、グローバル対応が必要な営業職で離職率が高かったため、「海外出張の頻度」や「クライアント対応」について詳しく記載した求人票を作成。これにより、職務内容を事前に理解してもらえるようになり、入社後のギャップが減少し、定着率が20%向上しました。

 5. 行動喚起(Action)

最後に、「採用後のフォローが続く」ことを伝えて、求職者に安心して入社してもらうことが大切です。入社前からフォローが続く体制を説明し、入社後の不安を少しでも減らしましょう。

実践例:

– 面接の最後に「入社後1ヶ月間のサポート内容」や「オンボーディングの流れ」を説明し、企業が定着に向けたフォローを行っていることを伝える。

– 入社後の定期的な面談や育成サポートについて、採用の段階でしっかりと提示する。

成功事例:

あるベンチャー企業では、入社前のオリエンテーションと1ヶ月間の新人サポートプログラムを導入しました。採用時にこのプログラムを説明することで、入社後の不安が軽減され、定着率が30%向上しました。

 成功事例から学ぶポイント

事例 1: IT企業の定着率向上施策

あるIT企業では、入社後のギャップを減らすために、面接段階での仕事内容説明を徹底。具体的な業務内容や求めるスキルを事前に共有し、応募者に働くイメージを持ってもらえるよう工夫した結果、定着率が大幅に改善しました。

事例 2: 若手社員の早期離職を防ぐ育成支援プログラム**

ある商社は、若手社員の成長支援として、入社後1年間にわたるメンター制度を設けました。採用段階でこの制度を紹介し、「成長できる環境が整っている」と感じてもらえたことで、早期離職が減少しました。

事例 3: 介護業界でのミスマッチ防止策**

人材不足が深刻な介護業界では、応募者に求めるスキルや希望条件を明確に伝えるとともに、面接時に応募者の理想の働き方や価値観のすり合わせを実施。その結果、採用後のギャップが減り、離職率が改善しました。

 まとめ

PASONAの法則を採用活動や定着支援に活用すると、求職者の価値観や希望と企業の求める人材像が一致しやすくなります。採用段階で求職者の不安に寄り添い、解決策やサポート体制を明確に示すことで、入社後のギャップが減り、早期離職を防ぐことができます。問題提起から行動喚起までのステップを意識し、ミスマッチを防ぐことで、安定した組織づくりを実現しましょう。

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