30代エンジニアがSIerから事業会社へ転職する際の書類選考突破術

2026.2.16
コラム

――“作った人”から“価値を生んだ人”へ変われるかが分かれ道

30代になり、SIerでのキャリアは順調。
要件定義も設計もできる。顧客折衝も経験し、チームリーダーも任された。

それでも、こんな思いがよぎることはありませんか。

「もっとプロダクトに近い場所で仕事がしたい」
「自社サービスの成長に関わりたい」

そこで事業会社への転職を考える。しかし――
なぜか書類で落ちる。

実はこれ、珍しいことではありません。
理由はシンプルです。

事業会社が見ている評価軸と、SIer型の職務経歴書がズレているから。

今回は、30代エンジニアがSIerから事業会社へ転職する際に、書類選考を突破するための具体策を事例付きで解説します。


1. 事業会社が見ているのは「成果責任」

SIerの評価軸は、
・納期遵守
・品質担保
・顧客満足

一方、事業会社は違います。

・事業へのインパクト
・ユーザー価値の向上
・売上やKPIへの影響
・自走力や意思決定力

つまり、

「何を作ったか」ではなく「何を変えたか」。

ここが最大の違いです。


2. 書類で落ちる人の共通点

例:34歳/Javaエンジニア

【職務内容】
・金融機関向けシステム開発
・要件定義~テストまで担当
・5名チームのリーダー

【使用技術】
Java / Spring / Oracle / AWS

一見問題なさそうです。しかし事業会社側から見ると、

「それで、何が改善されたのか?」
「事業にどう貢献したのか?」

が見えません。

プロジェクト説明”で終わっている。
これが落ちる最大の原因です。


3. 通過する職務経歴書はこう書く

同じ経験でも、見せ方を変えるだけで印象は一変します。

改善例

金融機関向け審査システム刷新プロジェクトに参画。
業務フローの再設計を提案し、以下を実現。

・処理時間40%短縮
・月間残業時間30%削減
・障害発生件数を半減
・AWS移行により年間約800万円のコスト削減

何が違うでしょうか。

✔ 数値
✔ 改善
✔ コスト
✔ 業務影響

事業会社は「数字」で判断します。
可能な限り、%・金額・時間・件数で示しましょう。


4. “受託脳”から脱却する3つの変換術

技術を価値に翻訳する

× Reactでフロントエンド開発
○ UI改善によりCVRを15%向上

技術は手段。
評価されるのは、もたらした成果です。


納期達成を事業成果に変える

× 納期通りリリース
○ 新機能追加で月間アクティブユーザー1.3倍


顧客視点からユーザー視点へ

SIerでは顧客企業が評価者。
事業会社ではエンドユーザーが主役。

視点を変えるだけで、文章は大きく変わります。


5. 30代に求められる“+α”

30代はポテンシャル枠ではありません。
完全な即戦力枠です。

求められるのは、

・意思決定経験
・仕様提案力
・チーム推進力
・課題再定義力

「言われた通り作った」では弱い。
「課題の本質を再定義し、代替案を提示した」と書けるかが勝負です。


6. 通過率が劇的に変わった事例

37歳/インフラエンジニア

Before

・AWS設計構築
・クラウド移行
・監視設計

After

・クラウド移行で年間運用コスト25%削減
・ダウンタイムを月3時間→30分へ短縮
・SLA達成率99.99%維持
・自動化により保守工数40%削減

結果、書類通過率は10%未満から約50%へ。

やったことは同じ。
変えたのは“伝え方”だけです。


7. 志望動機で差をつける

NG例:
「自社サービスに関わりたいと思い志望しました」

これでは弱い。

通過する志望動機は、

・なぜこの事業なのか
・どの課題に共感しているのか
・自分の経験がどう活きるのか

まで具体化されています。

直近のプロダクト改善やリリース内容に触れられると、説得力は一段上がります。


8. 企業タイプ別のアピール戦略

メガベンチャー

・KPI改善経験
・アジャイル開発
・データ活用実績

スタートアップ

・自走力
・裁量ある意思決定
・0→1の経験

大手事業会社

・安定運用実績
・大規模案件の再現性
・組織調整力

企業ごとに強調ポイントを変えることが重要です。


まとめ:転職成功のカギは「翻訳力」

SIer経験は大きな強みです。

・論理的思考力
・プロジェクト推進力
・品質担保力

ただし、そのままでは伝わりません。

事業会社の言語に翻訳できるかどうか。
それが書類選考突破の分かれ道です。

✔ 技術ではなく成果を書く
✔ 数値で示す
✔ 事業インパクトを明確にする
✔ 30代らしい推進力を語る

まずは、今の職務経歴書を「成果ベース」で書き直してみてください。
それだけで通過率は大きく変わります。

30代は遅くありません。
正しく伝えられれば、市場価値は確実に評価されます。

あとは――伝え方次第です。

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