30代エンジニアがSIerから事業会社へ転職する際の書類選考突破術
――“作った人”から“価値を生んだ人”へ変われるかが分かれ道
30代になり、SIerでのキャリアは順調。
要件定義も設計もできる。顧客折衝も経験し、チームリーダーも任された。
それでも、こんな思いがよぎることはありませんか。
「もっとプロダクトに近い場所で仕事がしたい」
「自社サービスの成長に関わりたい」
そこで事業会社への転職を考える。しかし――
なぜか書類で落ちる。
実はこれ、珍しいことではありません。
理由はシンプルです。
事業会社が見ている評価軸と、SIer型の職務経歴書がズレているから。
今回は、30代エンジニアがSIerから事業会社へ転職する際に、書類選考を突破するための具体策を事例付きで解説します。
1. 事業会社が見ているのは「成果責任」
SIerの評価軸は、
・納期遵守
・品質担保
・顧客満足
一方、事業会社は違います。
・事業へのインパクト
・ユーザー価値の向上
・売上やKPIへの影響
・自走力や意思決定力
つまり、
「何を作ったか」ではなく「何を変えたか」。
ここが最大の違いです。
2. 書類で落ちる人の共通点
例:34歳/Javaエンジニア
【職務内容】
・金融機関向けシステム開発
・要件定義~テストまで担当
・5名チームのリーダー
【使用技術】
Java / Spring / Oracle / AWS
一見問題なさそうです。しかし事業会社側から見ると、
「それで、何が改善されたのか?」
「事業にどう貢献したのか?」
が見えません。
“プロジェクト説明”で終わっている。
これが落ちる最大の原因です。
3. 通過する職務経歴書はこう書く
同じ経験でも、見せ方を変えるだけで印象は一変します。
改善例
金融機関向け審査システム刷新プロジェクトに参画。
業務フローの再設計を提案し、以下を実現。
・処理時間40%短縮
・月間残業時間30%削減
・障害発生件数を半減
・AWS移行により年間約800万円のコスト削減
何が違うでしょうか。
✔ 数値
✔ 改善
✔ コスト
✔ 業務影響
事業会社は「数字」で判断します。
可能な限り、%・金額・時間・件数で示しましょう。
4. “受託脳”から脱却する3つの変換術
① 技術を価値に翻訳する
× Reactでフロントエンド開発
○ UI改善によりCVRを15%向上
技術は手段。
評価されるのは、もたらした成果です。
② 納期達成を事業成果に変える
× 納期通りリリース
○ 新機能追加で月間アクティブユーザー1.3倍
③ 顧客視点からユーザー視点へ
SIerでは顧客企業が評価者。
事業会社ではエンドユーザーが主役。
視点を変えるだけで、文章は大きく変わります。
5. 30代に求められる“+α”
30代はポテンシャル枠ではありません。
完全な即戦力枠です。
求められるのは、
・意思決定経験
・仕様提案力
・チーム推進力
・課題再定義力
「言われた通り作った」では弱い。
「課題の本質を再定義し、代替案を提示した」と書けるかが勝負です。
6. 通過率が劇的に変わった事例
37歳/インフラエンジニア
Before
・AWS設計構築
・クラウド移行
・監視設計
After
・クラウド移行で年間運用コスト25%削減
・ダウンタイムを月3時間→30分へ短縮
・SLA達成率99.99%維持
・自動化により保守工数40%削減
結果、書類通過率は10%未満から約50%へ。
やったことは同じ。
変えたのは“伝え方”だけです。
7. 志望動機で差をつける
NG例:
「自社サービスに関わりたいと思い志望しました」
これでは弱い。
通過する志望動機は、
・なぜこの事業なのか
・どの課題に共感しているのか
・自分の経験がどう活きるのか
まで具体化されています。
直近のプロダクト改善やリリース内容に触れられると、説得力は一段上がります。
8. 企業タイプ別のアピール戦略
メガベンチャー
・KPI改善経験
・アジャイル開発
・データ活用実績
スタートアップ
・自走力
・裁量ある意思決定
・0→1の経験
大手事業会社
・安定運用実績
・大規模案件の再現性
・組織調整力
企業ごとに強調ポイントを変えることが重要です。
まとめ:転職成功のカギは「翻訳力」
SIer経験は大きな強みです。
・論理的思考力
・プロジェクト推進力
・品質担保力
ただし、そのままでは伝わりません。
事業会社の言語に翻訳できるかどうか。
それが書類選考突破の分かれ道です。
✔ 技術ではなく成果を書く
✔ 数値で示す
✔ 事業インパクトを明確にする
✔ 30代らしい推進力を語る
まずは、今の職務経歴書を「成果ベース」で書き直してみてください。
それだけで通過率は大きく変わります。
30代は遅くありません。
正しく伝えられれば、市場価値は確実に評価されます。
あとは――伝え方次第です。