法人営業・個人営業別!職務経歴書の書き方比較

2025.12.11
コラム

強みの見せ方はここまで違う ―

営業職の転職では、「法人営業(BtoB)」と「個人営業(BtoC)」の経験をどう書くかで、採用担当者の印象は大きく変わります。
同じ営業でも評価ポイントがまったく異なるため、どちらの営業スタイルなのかに応じた書き方が重要です。

まずは、両者の評価軸の違いから整理していきます。


1. 法人営業と個人営業では“見られている力”が違う

法人営業(BtoB)で評価されるポイント

法人営業は「企業の課題解決」を軸に営業活動が進むため、次の力が重視されます。

  • 課題を発見し、解決策を提案する力
  • 複数の関係者を調整しながら進める力
  • 長期的な商談を管理する力
  • 大口案件や継続契約の獲得
  • 業界知識・導入効果の理解

数字よりも、論理的にプロセスを組み立てる力が評価されます。


個人営業(BtoC)で評価されるポイント

個人営業は「顧客の意思決定をその場で後押しする力」が重要です。

  • 成約率・成約件数
  • 接客やコミュニケーション力
  • 分かりやすい説明スキル
  • スピード感や判断力
  • 紹介獲得力やフォロー力

こちらは、結果(数字)と顧客心理の理解が強い武器になります。


2. 法人営業の職務経歴書は「プロセス × 論理」が主役

法人営業の職務経歴書では、成果を出すまでの流れを具体的に書くことが重要です。

書くべきポイント

担当企業・業界

  • 担当社数(新規/既存)
  • 顧客規模(従業員数・売上)
  • 業界(製造・小売・ITなど)

取り扱い商材

  • 商材の種類
  • 単価
  • 導入期間

実績

  • 年間売上
  • 新規開拓件数
  • 受注率
  • 大型案件の金額
  • 継続率

営業プロセス

“どう課題を見つけ、どう提案し、どう導入につなげたか”を書くことで評価が上がります。


【法人営業の事例】

《事例①:ITソリューション営業》

実績

  • 担当企業:製造業10社
  • 年間売上:前年比130%
  • 新規獲得:15社(受注率18%)
  • 大型案件:基幹システム4800万円を受注

プロセスの書き方(例)
企業課題のヒアリングから業務フローを分析し、改善点を数値化して提案。経営層・現場・システム部門を巻き込みながら調整を実施。導入後の効果検証まで担当し、継続契約につなげた。


3. 個人営業の職務経歴書は「結果 × 接客力」が主役

個人営業は、どれだけ売ったか・どれだけ信頼を得たかが評価につながります。

書くべきポイント

商材と客層

  • 保険、住宅、通信、美容など
  • 顧客属性(年齢層・家族構成など)
  • 単価

実績

  • 成約率
  • 成約件数
  • 紹介件数
  • リピート率
  • 顧客満足度

接客スタイル

  • ヒアリング方法
  • 説明の仕方
  • 距離の縮め方
  • クロージングの工夫

アフターフォロー

  • フォロー件数
  • クレーム対応経験
  • 紹介につながったエピソード

【個人営業の事例】

《事例②:保険営業》

実績

  • 年間成約92件(支社トップ3)
  • 新規契約率38%
  • 紹介:月平均12件
  • 解約率2%以下

エピソード(例)
初回面談で家計や老後の不安を丁寧に整理し、比較表を使った説明で顧客の迷いを解消。分かりやすさが評価され、紹介が増加。安定した成約獲得につながった。


4. 書き分けのポイントを比較すると一目で理解できる

項目法人営業(BtoB)個人営業(BtoC)
アピール軸課題提案・調整・プロセス成約率・接客・紹介
数字売上/受注額/継続率成約率/件数/単価
必要な説明課題 → 提案 → 導入の流れ信頼構築 → ヒアリング → 成約
向いている文章ロジカル・事実中心感情理解・スピード感

5. やりがちなNG例

法人営業のNG

  • 「お客様と仲良くなり受注しました」
    → 個人営業寄りで、プロセスが弱い
  • 数字の記載が少ない
  • 提案内容が不明確

個人営業のNG

  • 専門用語を多用して難しくする
  • プロセス説明が長すぎる
  • 顧客心理への寄り添いが書かれていない

6. 応募職種ごとの使い分け

法人営業に応募する場合

  • ロジカル、定量的に
  • 課題 → 提案 → 調整 → 導入 の流れを書く
  • 社内外の調整力を明確に

個人営業に応募する場合

  • 成約率・件数を中心に
  • 心理への寄り添い方を記載
  • 紹介数やアフターフォローを強調

7. まとめ

  • 法人営業:プロセスと論理性
  • 個人営業:結果と接客力

この違いを理解して書き分けることで、職務経歴書の説得力は大きく上がります。


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