営業経験者が転職で書類落ちする原因と改善方法

2025.11.25
コラム

営業経験者でも「面接まで進めず書類落ちが続く」というケースは多くあります。しかし、その多くは能力の問題ではなく、書類で“実力が正しく伝わっていない”ことが原因です。

本記事では、書類で落ちる典型的な理由と、通過率を上げる改善方法を、実例とともにわかりやすく解説します。


1. 営業経験者が書類で落ちる主な原因


原因①:成果が数字で表現されていない

営業職で最も重要視されるのは「成果」と「再現性」。ここが曖昧だと評価されません。

例(NG)

  • 「顧客に寄り添った提案を心がけました」
  • 「新規・既存ともに担当しました」

これでは何をどれだけやったのか伝わりません。

【事例】
改善前:「新規営業を幅広く担当」
改善後:「月30件の新規訪問で年間15社を開拓。前年比120%達成」
→書類通過率 10% → 45%へ改善。


原因②:応募企業と経験の“ズレ”

営業は種類が多く、企業は「自社の営業スタイルに合う人」を求めます。

よくあるズレ

  • ルート営業 → 新規開拓企業へ応募
  • 個人営業のみ → 法人営業に応募
  • 有形商材 → 無形商材の会社に応募

【事例】
個人向け保険営業 → BtoB企業へ
→ 法人対応経験が見えず不安視
→ 法人向け提案経験や分析業務を記載すると書類通過が2倍以上に改善。


原因③:転職理由がネガティブに見える

書類でも「辞めた理由の雰囲気」は伝わります。

NG例

  • 評価制度への不満
  • 上司とのトラブル
  • 会社の体制への不満

【改善】
「裁量を持ち、より高い目標に挑戦したい」
などポジティブな目的に変換することが重要。


原因④:キャリアの一貫性が見えない

営業は「再現性」を重視するため、転職回数が多いと不利になりやすいです。

【改善】

  • どの会社でも共通して取り組んだ営業スタイル
  • 一貫した行動や成果
  • ブレないキャリア軸
    を書くことで安定感を示せます。

原因⑤:スキルが成果だけで語られている

営業スキルは数字だけではありません。

本来アピールすべき要素

  • ヒアリング
  • 課題分析
  • 提案書作成
  • クロージング
  • 調整力
  • 顧客フォロー
  • PDCA運用

これらが見えないと、成果の“再現性”が伝わりません。


2. 書類通過率を上げる改善ステップ


■STEP①:応募企業の営業スタイルを確認

求人票で以下をチェック:

  • 新規/ルート
  • 個人/法人
  • 商材の特徴
  • 営業プロセス
  • 主な顧客
  • 求める人物像

これを職務経歴書に反映させると、企業とのマッチ度が上がります。


■STEP②:成果は必ず数字で書く

例:

  • 売上:前年比120%
  • 契約数:年間12件
  • 提案採択率:30% → 45%
  • 継続率:95%

数字があるほど説得力が上がります。


■STEP③:成果の背景=プロセスを書く

営業プロセスは実力を示す根拠になります。

  • 初回ヒアリングの精度向上により採択率改善
  • 技術部門と連携し提案の質を向上
  • 業界分析をもとに仮説提案を実施

これを入れるだけで書類の評価は大きく変わります。


■STEP④:転職理由は前向きに

  • 提案領域を広げたい
  • 成果が評価される環境で働きたい
  • 法人営業で専門性を磨きたい

書類上のネガティブ要素は絶対に避けましょう。


■STEP⑤:志望動機は企業ごとに変える

営業経験者ほど「テンプレ志望動機」は見抜かれます。

構成はこれでOK:

  1. 企業・事業への興味
  2. 業界・商材を選ぶ理由
  3. 自分の経験のどこが活きるか
  4. 入社後の貢献イメージ

この4つを押さえれば内容に厚みが出ます。


3. 書き方改善のビフォー・アフター例


成果の表現

NG:
「新規開拓を担当し、幅広い業務に従事しました。」

OK:
「年間150件の新規訪問で6社を契約。達成率135%で部署トップ。」


営業プロセスの表現

NG:
「提案営業を担当。」

OK:
「課題ヒアリング〜提案〜クロージングまで一連を担当。ヒアリング強化により採択率30%→45%へ改善。」


4. 書類選考に強い営業職の特徴まとめ

  • 成果を数字で示している
  • 営業プロセスを書いている
  • 応募企業に合わせて内容を調整
  • 転職理由が前向き
  • 志望動機が企業別に作成されている

この5つが揃えば、通過率は大きく上がります。


まとめ

営業経験者が書類で落ちる原因の多くは、実力よりも“伝え方”の問題です。

  • 成果を数字で
  • プロセスを書いて再現性を伝える
  • 企業ごとに内容を最適化
  • 前向きな転職理由
  • カスタム志望動機

この5つを意識するだけで、書類の印象は劇的に変わります。


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