営業職の職務経歴書で採用担当者の目を引く書き方
――“会いたい!”と思わせる書類の作り方
営業職の転職では、「面接には自信があるのに書類で落ちる」というケースが多くあります。
採用担当者が職務経歴書を読む時間は 10〜20秒ほど。
その短い時間で「この人に会いたい」と思わせる工夫が必要です。
営業の職務経歴書で大切なのは、
成果を数字で示すこと と その成果を生んだ理由(再現性)を伝えること。
この記事では、読み手の心をつかむ書き方を事例とともに紹介していきます。
1. 採用担当者が知りたいのは「成果」と「再現性」
営業は数字で評価される仕事です。だからこそ、職務経歴書でも次の3点が重要です。
● 採用担当者がチェックするポイント
- どんな成果を出したのか(数字)
- どうやって成果を出したのか(工夫・プロセス)
- そのやり方が自社でも再現できるのか(再現性)
この3つがそろっていると、書類の段階で強く印象に残ります。
2. 最初の10行が勝負 ― サマリーで決まる
職務経歴書の上部に記載するサマリーは、あなたの“名刺”です。
ここで興味を持ってもらえるかどうかで書類の通過率が大きく変わります。
● 良いサマリー例
法人営業10年。新規開拓を中心に前年比150〜230%の売上を達成。
中小〜上場企業200社以上を担当し、提案資料の作成力と事前調査を強みとしています。
● NG例
法人営業として幅広く経験してきました。お客様との信頼関係を大切にしてきました。
後者は抽象的で、誰でも書ける内容です。
3. 職務経歴は「数字 × 工夫」で書く
営業職の書類で最も響くのは、
成果(数字)と、どうやってその成果を出したか(プロセス)のセット です。
▼ 良い書き方
株式会社ABC(2018〜2024)
法人営業/担当社数80社
実績
- 新規案件40件 → 前年比180%
- 年間売上1.2億円 → 入社前比230%
- 失注率30% → 17%へ改善
取り組み
- 業界別に資料を作り直し、課題に直結する提案に変更
- 事前調査の徹底で商談の質を向上
- 導入後のフォロー体制を強化し、継続率も向上
▼ NG例
- お客様に寄り添いながら営業活動を行い、売上に貢献しました。
- 信頼関係を大切にして提案しました。
抽象的で印象に残りません。
4. 同じ成果でも書き方で差が出る ― ビフォーアフター例
事例①:売上
Before
- 売上に貢献しました。
After
- 担当エリアの売上を前年比162%まで拡大し、部門トップ評価を獲得。
事例②:新規開拓
Before
- 新規開拓を行っていました。
After
- 月平均8件の新規案件を獲得し、年間8,000万円のパイプラインを形成。
事例③:提案力
Before
- 提案スキルに自信があります。
After
- 課題分析を基にした提案で、失注率を30%→17%に改善。
“結果”だけでなく“理由”を書くことで説得力が跳ね上がります。
5. 読みやすい職務経歴書の構成
営業職の書類は、次の構成にすると採用担当者が理解しやすくなります。
① 職務要約
(これまでの経験・強みを短くまとめる)
② 職務経歴
- 業務内容
- 営業スタイル(新規/既存)
- 担当企業数
- 実績(数字)
- 取り組み(工夫)
- 社内評価
③ スキル
- 営業スキル
- 使用ツール(SFA、CRM)
- 表彰歴や資格など
余計な情報より、判断材料が揃っているほうが強い書類になります。
6. 営業職ならではの強みを入れると選考に強くなる
以下の内容が入っていると、採用担当者は「この人は活躍できそう」と判断しやすくなります。
● 成果の数字
- 売上
- 新規件数
- 継続率
- 単価アップ
- 解約率改善
● 営業プロセス
- 事前調査
- 商談設計
- 提案資料の工夫
- クロージング手法
- 顧客フォロー
● 社内外との連携
- 技術部門との協働
- 大型案件の進行管理
- マーケティングとの連携
「成果×再現性」が伝わると、書類の説得力は段違いです。
7. 書類で落ちる人がやりがちな3つのミス
ミス① 抽象的すぎる
「寄り添う」「信頼関係」は誰でも書けるNGワード。
ミス② 作業だけを並べる
業務内容を羅列しても評価されません。
ミス③ 数字がない
数字のない営業の書類は、採用担当者に刺さりません。
8. 【例文】書類通過率が上がる職務要約(抜粋)
法人営業として10年以上経験。新規・既存ともに担当し、年間1.8億円・前年比220%の売上を達成。
課題分析を軸にした提案を強みとし、大手メーカーとの取引を2年で3倍に拡大した実績あり。
数字と強みを短くまとめると、非常に読みやすくなります。
9. まとめ
営業職の職務経歴書は、
「伝え方」で合否が変わる書類 です。
最後に確認するポイント
- サマリーで強みが一目で分かるか
- 数字で成果が示されているか
- 何を工夫して成果を出したか書かれているか
この3点が揃っていれば、書類通過率は確実に上がります。