営業職転職の書類選考を突破するための完全ガイド

2025.11.23
コラム

〜企業が「会いたい」と思う書類づくりのコツ〜

転職活動で最初の壁になるのが「書類選考」。
特に営業職は応募者が多く、採用担当者は数十〜数百枚の書類を短時間でチェックしています。

その中で「この人に会ってみたい」と思わせるには、ただの経歴紹介では不十分です。
企業が求めるのは、“成果を出せる営業”かどうか。
本記事では、採用担当者の視点と実際の事例を交えながら、書類選考を突破するための実践ノウハウをわかりやすく解説します。


1. 書類選考は“営業活動”の第一歩

営業で成果を出すには、相手(顧客)のニーズをつかみ、最適な提案をすることが大切です。
書類も同じ。採用担当者(顧客)に「この人と会いたい」と思わせる“提案資料”なのです。

つまり、書類選考を突破するポイントは「自分中心」ではなく「相手中心」で考えること。
相手の求める人物像を理解し、自分の経験をそのニーズに合わせて表現しましょう。


2. 履歴書と職務経歴書の違いを理解する

営業職の転職では、履歴書と職務経歴書をセットで提出します。
それぞれの役割を整理しておきましょう。

  • 履歴書:信頼性を伝える書類
     学歴・資格・職歴などの基本情報をまとめたもの。誤字脱字や日付の間違いがあると、「営業としての丁寧さ」に欠ける印象を与えます。
  • 職務経歴書:あなたの営業力を伝えるプレゼン資料
     ここが本番です。成果・工夫・数字をわかりやすくまとめることで、「会って話を聞きたい」と思わせることができます。

3. 職務経歴書の基本構成 ― 読まれる順に作る

採用担当者は上から順に流し読みします。
だからこそ、読みやすく伝わる構成が大切です。

職務要約(冒頭5〜7行)

まずは「どんな営業パーソンか」を短くまとめます。

例文:

BtoB法人営業を中心に、ITソリューション提案を8年間経験。新規開拓から既存顧客フォローまで一貫して担当し、年間売上120%以上を継続達成。課題解決型の提案を得意とし、リピート率80%を維持しています。

採用担当者は最初の数行で読むかどうかを判断します。
ここで興味を持たせることが勝負です。


職務経歴(業務内容と実績)

企業名、在籍期間、担当業務を簡潔にまとめましょう。
「何をしたか」よりも「どう成果を出したか」が重要です。

悪い例:

法人営業を担当。新規開拓、既存顧客対応、提案書作成を行う。

良い例:

法人向けにITソリューションを提案。1年間で50社の新規契約を獲得(前年比+40%)。提案資料を顧客課題ベースに改善し、成約率を25%→45%へ向上。


成果は数字で表す

営業職では数字が最も説得力を持ちます。
具体的な数値がないと「本当に成果を出したのか」が伝わりません。

例文:

  • 年間売上:1.5億円(目標比120%達成)
  • 新規契約数:前年比+30%
  • チームリーダーとして5名を育成し、離職率ゼロを維持

自己PR・志望動機

最後に、あなたの強みと転職理由をまとめます。
感情的ではなく、ロジカルに書くことが大切です。

悪い例:

営業が好きで御社に貢献したいです。

良い例:

前職では顧客課題の可視化と改善提案に注力し、顧客満足度調査で社内トップ評価を獲得しました。貴社のソリューション営業においても、課題発見力と提案力で貢献できると考えています。


4. 採用担当者が見ているポイント

営業職の書類でチェックされるのは、主に次の3点です。

  1. 成果を数字で説明できているか
  2. 成果に至るプロセスが明確か
  3. 自社で再現できそうか(再現性)

つまり、「どんな結果を出したか」よりも、「どうやって出したのか」が問われています。


5. 通る書類・落ちる書類の違い(実例)

落ちたAさん(38歳)

大手通信会社で10年以上営業を経験。
職務経歴書には「営業として10年勤務。目標達成率100%以上」とだけ記載。
→ 実績はあるが、何を強みにどう貢献できるのかが不明確で不採用。

通過したBさん(32歳)

中堅商社でルート営業を5年担当。数字は平均的だったが、
「顧客離脱率を20%→8%に改善」「クレーム対応マニュアルを作成」など具体的な改善行動を記載。
→ 「課題を見つけて改善できる人材」と評価され、書類通過。

結論: 数字の大きさより、“再現性”と“工夫”を伝えることが大切。


6. 志望動機は「つながり」がカギ

営業職の志望動機で差がつくのは、「前職の経験と応募先の営業スタイルをどうつなげるか」です。

書き方の流れ:

  1. 応募企業の営業スタイルを調べる
  2. 自分の経験と共通点を見つける
  3. それを活かしてどう貢献できるかを書く

例文:

前職では中小企業向けに業務改善提案を行い、顧客課題の可視化と提案力を磨きました。貴社のDX推進営業でも、この経験を活かし、顧客満足度の向上に貢献できると考えています。


7. 「見やすい書類」はそれだけで印象が良い

内容が良くても、見た目が悪ければ読まれません。
採用担当者は「見やすい=仕事ができそう」と感じます。

  • フォントは明朝体またはゴシック体(10.5〜11pt)
  • 2〜3行で改行し、空白を活かす
  • 実績は箇条書きで整理
  • 見出しを太字にして視線を誘導

見た目を整えるだけで、書類全体の印象が劇的に上がります。


8. 自己PRは「数字+人柄」で伝える

営業職は数字だけでなく、信頼関係を築く力も重視されます。
成果と人間性、両方が伝わるエピソードを入れるのがポイントです。

例文:

お客様との信頼関係を最優先に考え、商談後のフォローを徹底。結果、紹介経由の受注が全体の30%を占めるまでに成長しました。数字だけでなく、人との関係を大切にした営業が強みです。


9. 書類は「営業提案書」と同じ

営業提案書と同じように、

  • 相手(企業)の課題を想定し、
  • 自分(営業)の強みで解決策を提示し、
  • 読みやすくまとめる。

この3ステップを意識するだけで、あなたの書類はぐっと通過しやすくなります。


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