営業職転職後の人間関係の築き方|最初の90日が信頼を決める!
転職して新しい職場に入ったとき、
「人間関係をうまく築けるかどうか」が一番の不安になる方は多いと思います。
特に営業職は、人との関係性が成果に直結する仕事。
社内の人間関係がうまくいけば、仕事は驚くほどスムーズに進みます。
逆にそこをおろそかにすると、どんなに優秀でも孤立してしまうこともあります。
この記事では、営業職が転職後にスムーズに職場に馴染み、信頼を得るための考え方と具体的な行動を、事例を交えながら紹介します。
営業職にとって「人間関係」は成果の土台
営業の本質は「モノを売ること」ではなく「信頼を得ること」。
これはお客様だけでなく、社内の上司・同僚・他部署にも当てはまります。
たとえば──
- 見積書を早く出してもらえるかどうかは、事務担当との関係次第
- 提案時に技術部が協力してくれるかは、普段の信頼関係に左右される
- 先輩営業が顧客情報を教えてくれるかも、普段の関係が影響
つまり営業は、「社外営業」と「社内営業」の両方をうまく進める仕事なんです。
数字を上げたいなら、まず人間関係の“土台づくり”が必要です。
転職初期にやってしまいがちな3つの勘違い
1. 「成果を出せば認めてもらえる」
もちろん成果は大事です。
でも、入社してすぐの時期は「結果」よりも「姿勢」を見られています。
数字を追うよりも先に、
「この人と仕事したい」と思ってもらうことを優先しましょう。
2. 「遠慮して自分を出さない」
謙虚さは大事ですが、あまりに控えめだと「頼りない」と思われてしまいます。
営業職は「意見を持っている人」が信頼されるポジションです。
ポイントは、“遠慮”ではなく“敬意をもった自己主張”。
柔らかく、自分の考えを伝える練習をしてみましょう。
3. 「誰とでも仲良くなろうとする」
全員に好かれる必要はありません。
むしろ最初は「誰が信頼できるか」を見極める期間です。
どんな会社にも“キーパーソン”がいます。
周囲から信頼を集めている人を見つけ、その人との関係づくりを意識すると仕事が進めやすくなります。
事例①|3か月でチームに溶け込んだAさん
Aさん(32歳・メーカー営業)は、異業種から機械商社に転職しました。
最初は専門知識がなく、提案資料づくりにも時間がかかっていました。
そんなAさんが最初にやったのは「人を知ること」。
入社初日から毎日違う先輩にランチを誘い、雑談を通じて社内の雰囲気やそれぞれの得意分野を把握していきました。
また、顧客訪問にも積極的に同行し、分からないことはすぐメモ。
翌日には調べて共有することで、信頼を少しずつ積み重ねていきました。
3か月後には「真面目で吸収力がある」と上司から高評価。
半年後には社内表彰を受けるまでに成長しました。
Aさんの成功ポイントは、“成果を急がず、関係づくりに時間をかけたこと”です。
事例②|前職のやり方を貫き孤立したBさん
Bさん(38歳・IT営業)は、前職でトップセールス。
自信を持って新しい会社に入社しましたが、やり方を一切変えませんでした。
会社のフォーマットを無視し、独自の営業手法を展開。
短期的には契約が取れましたが、サポート部門との連携が崩れ、トラブルが多発。
結果、半年後には「扱いにくい人」と見られ、孤立してしまいました。
このケースが教えてくれるのは、
**「前職の成功が新しい環境で通用するとは限らない」**ということです。
まずは新しい職場の文化を理解し、柔軟に合わせる姿勢が信頼を生みます。
信頼を築くための実践ステップ
ステップ1|最初の30日は「聞き役」に徹する
入社してすぐは、意見を言うよりも「観察と質問」。
「この業界ではどんな営業スタイルが多いですか?」
「お客様が重視している点は何ですか?」
こうした質問をすることで、自然に信頼を得られます。
ステップ2|小さな約束を必ず守る
営業で最も信頼を失うのは「言ったことを守らない」こと。
「午後に資料を送ります」「明日確認します」など、些細な約束こそ確実に守りましょう。
これが“信用貯金”になります。
ステップ3|情報を共有してチームに貢献
「このお客様、こんな課題を抱えてました」
「この提案、他の案件にも使えそうです」
こうした情報を共有できる人は、必ず信頼されます。
営業はチーム戦。
“自分の成果”ではなく“チームの成果”を意識すると評価が上がります。
ステップ4|感謝を言葉にする
「ありがとうございます」「助かりました」と伝えるだけで印象は大きく変わります。
メールでも一言添えるだけで、
「感じのいい人」「一緒に仕事しやすい人」という印象が定着します。
顧客との信頼も、社内と同じ考え方で
新しい会社では、既存顧客の引き継ぎからスタートするケースが多いですよね。
その際に注意したいのが「いきなり売り込まない」こと。
あるIT商社の営業Cさんは、顧客引き継ぎ後の1か月間、あえて商談を一切しませんでした。
訪問では業界動向や近況など“雑談中心”で関係構築に集中。
その結果、2か月後には「Cさんの提案なら聞きたい」と言われ、大型契約を獲得しました。
営業は「売る仕事」ではなく「信頼を積み上げる仕事」。
この考え方はどんな会社でも変わりません。
環境を見極める冷静さも大切
どんなに努力しても、合わない職場は存在します。
派閥、閉鎖的な社風、過度な競争など──人間関係を築きにくい環境です。
そこで意識したいのは、
**「3か月は観察、半年で判断」**という考え方。
3か月間は観察期間と割り切り、半年経っても改善の兆しがなければ、
次のキャリアを検討するのも前向きな選択です。
無理して我慢するより、自分が本来の力を発揮できる環境を選ぶほうが健全です。
まとめ|信頼される営業は、社内から始まる
営業職が転職後に成功するかどうかは、社内の信頼をどう築くかで決まります。
その信頼が顧客対応にも自然と表れ、結果として成果につながっていくのです。
今日のまとめポイント
- 最初の3か月は「人を知る期間」として焦らない
- 小さな約束を守って“信用貯金”を積み上げる
- 情報共有でチームに貢献する
- 感謝を言葉で伝える習慣を持つ
- 合わない環境は無理せず見極める勇気も持つ
転職は「リセット」ではなく「再スタート」。
人との関係を一つひとつ大切に積み上げることで、
どんな職場でも信頼される営業に成長していけます。