飛び込み営業から提案営業へ|転職前にしておきたい準備と考え方

2025.10.11
コラム

営業職の中でも、最も根性が試されるのが「飛び込み営業」です。
毎日、何十件も訪問しながら、地道に結果を出してきた人も多いでしょう。

そんな中で最近、「提案営業に転職したい」という声をよく聞きます。
理由はさまざまですが、多くの人が「もっと戦略的に、顧客の課題を解決したい」と考えています。

この記事では、飛び込み営業から提案営業へステップアップしたい方に向けて、
転職前に準備すべきこと・身につけたいスキル・成功した人の事例をわかりやすく紹介します。


1. まずは「飛び込み営業」と「提案営業」の違いを知ろう

「同じ営業職だから、そんなに違わないでしょ?」と思う人もいます。
しかし、実際には求められる力がまったく違います。

項目飛び込み営業提案営業
目的新規顧客を開拓する顧客の課題を解決する
アプローチ訪問や電話などの直接営業ヒアリングと企画提案
商談期間短期(即決型)中長期(関係構築型)
重視される力行動量・話す力分析力・提案力・資料作成力

飛び込み営業は「とにかく会う」「数をこなす」スタイル。
一方の提案営業は、「顧客の課題を理解し、解決策を考える」スタイルです。

この違いを理解せずに転職すると、面接で「提案営業の意味を分かっていない」と思われてしまうことがあります。
まずはこの意識のギャップを埋めることから始めましょう。


2. 転職前にしておきたい3つの準備

成果を“数字”で話せるようにする

提案営業では、「ロジカルに説明できるか」が大切です。
そのため、これまでの成果を数字で整理しておくと説得力がぐっと上がります。

例:

  • 1日50件訪問して、月20件の新規アポイントを獲得
  • エリア全体で前年比120%の売上を達成
  • 成約までの平均期間を2週間短縮

「どれだけ頑張ったか」よりも、「どんな結果を出したか」を数字で示すのがポイントです。


提案営業に必要なスキルを理解しておく

提案営業では、“課題解決力”がすべての軸になります。
そのために必要なのが、次の3つの力です。

ヒアリング力

「自分が話す」より、「相手に話してもらう」力が求められます。
「なぜそう思ったのか?」「何に困っているのか?」を丁寧に聞き出すことが大切です。

提案資料作成力

PowerPointやExcelを使って、提案書をまとめるスキルも欠かせません。
資料の構成・数字の根拠・ビジュアルの見せ方など、少しずつ練習しておくと安心です。

分析力・仮説思考

顧客の課題を自分なりに分析し、「こうすれば良くなるのでは?」と仮説を立てる力が求められます。
飛び込み営業で培った“観察眼”を、より戦略的に活かすイメージです。


業界研究をしておく

提案営業では、顧客の業界知識が必要です。
業界構造やトレンドを理解していれば、商談の説得力が大きく変わります。

準備のコツ:

  • 日経新聞や業界誌を読む
  • 競合企業のWebサイトやプレスリリースを調べる
  • 転職エージェントの業界レポートを参考にする

こうした情報収集をしておくと、「話のわかる営業」として信頼を得やすくなります。


3. 実際の転職成功事例

事例①:OA機器営業 → ITソリューション営業(32歳・男性)

複合機を扱う飛び込み営業を担当していたAさん。
「もっと企業の仕組みを変えるような仕事がしたい」との思いから、IT業界の提案営業へ転職しました。

転職成功のポイント

  • 飛び込み営業で鍛えた行動力と粘り強さ
  • 成果を具体的な数字で説明できた
  • ITの知識を独学で学び、資格を取得

現在は企業の課題に合わせたシステム提案を行い、1億円規模の案件を担当しています。

「以前は“商品を売る仕事”だったが、今は“企業を変える仕事”になった」と本人談。


事例②:個人保険営業 → 法人向け広告営業(28歳・女性)

保険の個人営業をしていたBさんは、「短期契約よりも、長く関係を築ける仕事がしたい」と広告代理店の法人営業へ転職。

準備したこと

  • 財務知識やマーケティングを学び直した
  • 商談でのヒアリング練習を繰り返した
  • 面接で「信頼関係づくりの経験」を具体的に話した

その結果、法人のブランディング提案を担当する営業職に就き、クライアントから高い評価を得ています。


4. 面接で意識したい3つのポイント

「量」より「質」を語る

提案営業では、行動量よりも「考えて動く力」が大事です。

例:

「訪問件数を増やすだけでなく、見込み客の質を高めるためにデータ分析を行いました」
「成約率を上げるため、顧客ヒアリングを見直して提案内容を改善しました」

このように話すと、「思考力がある営業」として評価されます。


チームで成果を出した経験を伝える

提案営業は、社内の技術・企画・サポート部門と連携して動くことが多い仕事です。
「他部署と協力して成果を出した経験」があれば、必ず伝えましょう。


信頼関係を築いたエピソードを話す

提案営業で最も大切なのは「信頼」です。
飛び込み営業でも、紹介やリピートにつながった経験があれば、それを具体的に話すと好印象です。


5. 書類選考で差をつけるポイント

自己PR例

飛び込み営業として1日50件以上の訪問を継続し、顧客の課題を引き出すヒアリング力を磨きました。
提案内容の改善を重ねた結果、訪問数を減らしても成約率を20%向上。
今後はこの経験を活かし、より深く顧客課題に寄り添う提案営業に挑戦したいと考えています。

職務経歴書のコツ

  • まず「概要」で担当商材・エリアを簡潔に
  • 「成果」は数字を交えて具体的に
  • 「工夫点」では、自分なりの改善や分析を記載
  • 最後に「学習姿勢」も入れる(例:資格取得、業界研究など)

6. まとめ|飛び込み経験は、提案営業でこそ輝く

飛び込み営業で鍛えた「行動力」「度胸」「観察力」は、提案営業でも大きな武器になります。
違いは、“数をこなす営業”から“考えて動く営業”へ進化すること。

提案営業で成果を出すには、

  • 顧客を深く理解する
  • 課題を見つける
  • 解決策を提案する
    という3つの流れを意識しましょう。

飛び込みで培った現場感を、戦略的な提案力に変えられれば、あなたの営業力はさらにレベルアップします。

行動力 × 分析力 × 信頼構築力
この3つを意識すれば、提案営業でも必ず成功できます。

転職はゴールではなく、次のステージへの「成長の一歩」。
これまでの経験を強みに変えて、提案営業として新しいキャリアを築いていきましょう。


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