
営業職からマーケティング職へ転職する方法|営業経験を武器にキャリアチェンジを成功させる

「営業として数字は上げてきたけれど、次はマーケティングに挑戦したい」
そんな思いを抱く方が、ここ数年で増えています。
営業経験をベースに、マーケティング領域で活躍する人材は今や珍しくありません。
顧客理解や課題発見力といった“営業の強み”は、実はマーケティングでも非常に役立つのです。
この記事では、営業職からマーケティング職へ転職するための具体的なステップを、実際の事例を交えながらわかりやすく解説します。
未経験からでも採用を勝ち取るためのコツを、順を追って紹介していきます。
1. 営業とマーケティングの違いを理解しよう
まず押さえておきたいのは、営業とマーケティングの役割の違いです。
どちらも「売上をつくる」仕事ですが、アプローチの方法が異なります。
項目 | 営業職 | マーケティング職 |
目的 | 顧客に商品・サービスを販売する | 顧客を創出し、営業が売りやすい環境をつくる |
手法 | 訪問・提案・商談 | データ分析・広告運用・SNS発信・商品企画 |
成果指標 | 受注数・売上 | リード数・コンバージョン率・アクセス数など |
営業が「顧客との直接接点」に立つのに対し、マーケティングは「顧客を呼び込む仕組み」を設計する役割です。
まずはこの構造をしっかり理解しておきましょう。
2. 営業経験はマーケティング転職の“強み”になる
「未経験だから不利」と思われがちですが、実際には営業経験が大きなアドバンテージになります。
マーケティングにおいて、営業出身者の強みは次の3つです。
(1) 顧客理解の深さ
マーケターが苦労するのは、顧客の“本音”をつかむことです。
営業職で日々お客様と接してきた経験は、マーケティング戦略を考える上で極めて有益です。
(2) 売上視点を持っている
営業職は常に「結果=売上」を意識しています。
この数字に対する感覚があると、施策の効果検証やROIの分析でも強みになります。
(3) 社内調整力とプレゼン力
営業では社内外の関係者をまとめる場面が多くあります。
この調整力や提案スキルは、マーケティングでも「企画提案」「代理店折衝」などで活きます。
3. マーケティング職の種類と仕事内容
一口にマーケティングといっても、仕事内容は幅広いです。
自分がどの分野を目指すのかを明確にしておきましょう。
職種 | 主な仕事内容 |
デジタルマーケティング | Web広告、SNS運用、アクセス解析 |
コンテンツマーケティング | 記事・動画制作、SEO対策 |
CRMマーケティング | 顧客データ分析、リピート施策 |
ブランドマーケティング | 商品企画、プロモーション企画 |
インサイドセールス | リード獲得・育成(営業とマーケの中間) |
営業職出身者には、インサイドセールスやCRM領域が特におすすめです。
営業経験を活かしながら、マーケティング思考を磨けるポジションです。
4. 営業からマーケティングへ転職するための4ステップ
ステップ1:営業経験をマーケティング視点で棚卸しする
自分の営業活動を「どんな課題を、どんな分析・施策で解決したか」という視点で整理しましょう。
例:
- 顧客データを分析し、提案資料を改善 → 受注率15%アップ
- 商談内容を分析し、ターゲット選定を見直し → 商談化率20%向上
- 既存顧客の再アプローチ施策を立案 → リピート率改善
こうした経験は、そのままマーケティングに通じます。
ステップ2:デジタルスキルを学ぶ
営業経験だけではカバーできない専門知識を補いましょう。
特に以下のスキルは転職市場で評価されます。
- Google Analytics(GA4)
- Google広告・Meta広告の基礎
- SEO・コンテンツ制作
- CRM/MAツール(Salesforce、HubSpot など)
UdemyやSchooなどのオンライン講座を活用すれば、実務レベルのスキルが身につきます。
ステップ3:社内異動や副業で実績を作る
いきなり転職せず、まずは社内でマーケティング関連の業務に関わるのも効果的です。
あるいは副業でSNS運用やブログ執筆に挑戦するのもおすすめ。
“実績がある未経験者”は、採用市場で非常に強いです。
ステップ4:職務経歴書で「数字×戦略思考」を伝える
採用担当者が見ているのは「結果を出すために何を考え、どう動いたか」です。
悪い例:
お客様に寄り添った営業で信頼を得ました。
良い例:
顧客の購買データを分析し、提案内容を最適化。受注率を20%向上。
このように、数字と施策のセットで説明することが重要です。
5. 成功事例から学ぶ!営業→マーケティング転職ストーリー
事例①:メーカー営業からデジタルマーケターへ(30代前半・男性)
BtoBメーカーで5年間営業を担当。
顧客からの声を商品企画に反映させるうちにマーケティングに関心を持つ。
独学でGoogle広告を学び、資格を取得。
その努力と顧客理解力が評価され、Webマーケティング会社に未経験入社。
現在はBtoBリード獲得戦略を担当している。
ポイント:
学習意欲+顧客理解力。この組み合わせは、採用側にとって非常に魅力的です。
事例②:不動産営業からインサイドセールスへ(20代後半・女性)
成果主義の営業に限界を感じ、より仕組みで成果を出せる仕事を求めて転職。
SaaS企業のインサイドセールス職に入社し、CRMツールを使った顧客分析を担当。
入社半年後にはマーケティングチームへ異動し、MAツールの運用を任されるまでに。
ポイント:
「営業→インサイドセールス→マーケティング」への段階的ステップアップが現実的な成功ルートです。
6. 採用担当が重視するポイント
マーケティング職を目指す営業出身者に対して、採用担当が注目しているのは次の3点です。
- 数字で語れるか
成果を“再現可能な仕組み”として説明できるか。 - マーケティングへの関心の深さ
資格や学習実績など、意欲の裏づけがあるか。 - 論理的な説明力
報告・分析・プレゼンができるか。
特に、「営業経験をどうマーケティングに活かしたいか」を明確に語れることが重要です。
7. 年代別の転職戦略ポイント
- 20代: ポテンシャル採用中心。学習意欲と柔軟性が評価される。
- 30代: 分析力・企画力を強調。営業成果を戦略的に語る。
- 40代以降: プレイヤーよりも「営業×マーケ戦略」など管理職ポジションを狙う。
8. 転職活動を有利に進める3つのコツ
- マーケティング職に強い転職エージェントを活用する
→ 業界知識が深く、営業→マーケ転職の成功例を多数持つ。 - ポートフォリオを用意する
→ SNS運用、ブログ、note発信などをまとめると差別化になる。 - 面接では「顧客理解×数値思考」を伝える
→ 「顧客課題をデータで分析し、改善策を実行した」という流れで話すと印象が良い。
9. まとめ|営業経験はマーケティング転職の強力な武器
営業職で培った「顧客理解」「課題発見力」「提案力」は、マーケティング職でもそのまま活かせます。
違うのは、“目の前で売る”のか、“仕組みで売る”のかという視点だけです。
未経験でも、
- 経験をマーケティング視点で棚卸しする
- デジタルスキルを学ぶ
- 小さくても実績を積む
この3ステップを意識すれば、キャリアチェンジは十分可能です。
「顧客をつかんできた人」が、次は「市場をつかむ人」へ。
営業職出身だからこそ描けるマーケティングキャリアがあります。