
営業職面接で評価される「提案力」の見せ方|事例で分かる成功のコツ

1. なぜ「提案力」が重視されるのか
営業職の面接で必ず見られるのは、コミュニケーション力や数字へのこだわりです。その中でも近年特に注目されているのが 「提案力」 です。
以前は「商品の説明ができれば十分」という営業もありました。しかし今は顧客が自分で情報を集め、比較する時代です。説明だけでは選ばれません。
企業が求めるのは、顧客の課題を見つけ、解決策を考え、納得できる形で提案できる人。面接官は、候補者がその力を持っているかどうかを質問ややり取りから探ります。
2. 「提案力」とは何か
「提案力=プレゼン力」と思われがちですが、それだけではありません。提案力は次の3つの力でできています。
- 課題を見つける力:お客様が気づいていない問題を発見する
- 解決策を組み立てる力:自社の商品やサービスを組み合わせて最適な提案をする
- 伝える力:分かりやすく説得力を持って伝える
この3つをどう実践してきたかを、面接で具体的に語ることが大切です。
3. 面接で「提案力」が問われる場面
営業職の面接では、次の場面で提案力が見られます。
- 自己PRや経歴説明
→ どんな課題を解決したのかを話す場面。 - 成果を聞かれたとき
→ 数字に加え、工夫や提案の流れを説明する場面。 - 逆質問の時間
→ 単なる質問ではなく「自分ならこう提案したい」と踏み込む場面。
4. 提案力をアピールする回答例
事例1:法人営業の成果を語る
NG例
「新規開拓で毎月10件の契約を獲得しました。」
→ 結果の報告だけで提案力が伝わらない。
良い例
「新規開拓で月10件以上の契約を獲得しました。ある製造業の企業は『コスト削減』が要望でしたが、詳しく聞くと『在庫管理の非効率』が本当の課題でした。そこで弊社サービスに在庫管理システムを組み合わせて提案した結果、在庫コストを20%削減。大口契約につながりました。」
→ 「課題発見 → 提案 → 成果」の流れが分かりやすく、提案力を強調できます。
事例2:小売営業(接客)の場合
NG例
「お客様の要望を聞いて、希望の商品を紹介しました。」
良い例
「お客様は『安い商品が欲しい』と希望されましたが、詳しく伺うと『毎日長時間使う』予定でした。耐久性を考え、少し高めでも長持ちする商品をご提案しました。結果的にコスト削減になり、ご満足いただき、リピーターになっていただけました。」
→ ただ売るのではなく、お客様にとって最適な選択を導いている。
事例3:逆質問で提案力を示す
NG例
「御社の研修制度について教えてください。」
良い例
「御社は既存顧客の深耕営業を重視されていると伺いました。前職では顧客データ分析を活用し、休眠顧客への再提案で売上を15%伸ばしました。入社後も同じ強みを活かせると考えています。御社ではデータ活用の仕組みは整っていますか?」
→ 「自分がどう貢献できるか」を含めて質問できている。
5. 提案力を見せるための準備
面接前に、次の準備をしておきましょう。
- 成功事例を3つ用意する
→ 新規開拓、既存顧客、クレーム対応など違うパターンで。 - 「課題 → 提案 → 結果」の型で整理する
→ STAR法(状況・課題・行動・結果)を使うと話しやすい。 - 応募企業を研究する
→ 相手に合わせた提案ができるかどうかが評価の分かれ目。 - 逆質問を“提案型”にする練習
→ 面接の最後が最大のアピールチャンスです。
6. まとめ
営業職の面接で評価される「提案力」は、
- 課題を発見する力
- 解決策を組み立てる力
- 分かりやすく伝える力
の3つです。
面接では、実績を「課題 → 提案 → 結果」で語り、逆質問でも提案姿勢を示すことが大切です。
「私は売れる営業です」と言うよりも、
「顧客の課題を解決し、御社に新しい価値を生み出せる営業です」 と伝えること。
これが採用を勝ち取る最大のポイントになります。