
営業職面接で「成果をどう出したか」を効果的に伝える方法

~事例で分かるアピールのコツ~
はじめに
営業職の面接では、ほぼ必ず「どんな成果を出しましたか?」と聞かれます。
これは採用担当者が「数字を出せる人か」だけでなく、「どうやって成果を出すのか」を知りたいからです。
単に「売上〇〇円を達成しました」と言うだけでは、印象に残りません。面接官が聞きたいのは「成果までのプロセス」です。
この記事では、成果を分かりやすく伝える方法を事例とともに紹介します。
1. 成果を伝えるときの基本フレームワーク
成果を整理するのに便利なのが「STAR法」です。
- S(Situation)状況:どんな環境だったか
- T(Task)課題:自分に与えられた目標は?
- A(Action)行動:どんな工夫をしたか
- R(Result)結果:成果はどうだったか
この順番で話せば、成果が「偶然」ではなく「努力の結果」であることを伝えられます。
さらに「数字+エピソード」を組み合わせると効果的です。
数字で客観性を示し、エピソードで信頼感を与えることができます。
2. 避けたい伝え方
逆に、次のような話し方はNGです。
- 数字だけ伝える:「売上1億円です」では中身が見えない
- 抽象的すぎる:「頑張りました」「信頼されました」では伝わらない
- 他人任せ:「上司の案件をサポートしました」では主役感がない
面接官が知りたいのは「あなたの工夫と行動」です。
3. 成果を伝える3ステップ
成果を伝えるときは次の流れを意識しましょう。
- 数字で成果を示す(売上〇〇円、達成率〇〇%など)
- 課題と工夫を語る(どう取り組んだか)
- 学びと応用可能性を加える(御社でどう活かせるか)
この3点をセットにすると説得力が増します。
4. 事例① 新規営業のケース
悪い例
「新規開拓で年間50件の契約を取りました。」
→ 数字はあるが、どう取ったか不明。
良い例(STAR法)
- S:競合が多く、価格競争が激しい市場。
- T:前年20件だった新規契約を倍増させる必要があった。
- A:顧客データを分析し、価格よりサポート体制を重視する業界にターゲットを絞った。初回訪問で競合比較表を提示し、安心感を与える営業を展開。
- R:新規契約50件を達成、前年比250%。
工夫と成果がセットで伝わります。
5. 事例② 既存顧客フォローのケース
悪い例
「既存顧客の売上を伸ばしました。」
→ 抽象的で伝わらない。
良い例
- S:既存顧客の売上が横ばい、新規獲得頼みだった。
- T:既存顧客の追加受注を増やすこと。
- A:利用状況をヒアリングし、未活用部分を見える化。導入事例を紹介するセミナーを開催して追加提案を実施。
- R:追加契約率が20%→40%に改善。売上は前年比130%に。
「顧客理解」と「関係構築力」が伝わります。
6. 事例③ チーム全体で成果を出したケース
悪い例
「チーム全体で目標を達成しました。」
→ 自分の役割が不明。
良い例
- S:チームの達成率が80%に留まり、士気が低下。
- T:個人だけでなくチーム全体の底上げが必要だった。
- A:新人営業にロールプレイを指導し、提案資料を共有化。誰でも使えるトークスクリプトを作成。
- R:チーム達成率110%に改善。自分も前年比140%を達成。
「成果を出す力」+「リーダーシップ」を示せます。
7. まとめ
営業職の面接で成果を伝えるときは、次の3点を意識しましょう。
- 数字で成果を見せる
- 課題に対する工夫を具体的に語る
- 経験をどう活かすかをつなげる
面接官が知りたいのは「成果そのもの」よりも「成果を生み出す力」です。
STAR法や具体的エピソードを使えば、「この人なら自社でも成果を出せそうだ」と思わせることができます。