専門性が身についていないと感じたときの学び直し戦略

2025.8.01
コラム

〜キャリアを立て直す“いまからの一歩”〜


「これといった専門性がないまま、年齢だけ重ねてしまった…」
そんなふうに感じたことはありませんか?

長年、同じ仕事をこなしてきた。でも転職や副業、独立を考えたとき、「自分には強みがない」と立ち止まってしまう——。
実はこうした悩み、40代以降のビジネスパーソンにとってよくあることなんです。

でも安心してください。
専門性がないと感じたときこそ、キャリアを見直し、再設計するチャンスです。

今回は、そんなモヤモヤを抱える人のために「学び直しで専門性を手に入れる方法」を、実際の事例も交えながらご紹介します。


1. 「何を学べばいいか分からない」状態から抜け出すには?

事例:40代 営業職・Aさんの場合

メーカーの法人営業として20年以上働いてきたAさん。
業績不振による人員整理の話が出たことをきっかけに転職を考え始めましたが、「自分には専門的なスキルがない」と気づき、不安に押しつぶされそうになりました。

とりあえず「何か学ぼう」と思っても、マーケティング?IT?資格?と選択肢が多すぎて、結局何も決められず…。

そんなAさんがまずやったのは、キャリアの棚卸し
これまでやってきた仕事や得意だったこと、評価された経験を紙に書き出してみたのです。

すると、営業活動の中で「市場分析」や「競合調査」を行っていたこと、Excelで「データの整理や簡単な分析」をしていたことに気づきました。

そこで彼は、これまでの経験と組み合わせて伸ばせる「営業 × データ分析」の分野に注目。
夜間のビジネススクールで基礎から学び直し、半年後には“営業DX推進チーム”に異動するチャンスを掴みました。


2. 学び直しは「掛け算」で考えるとうまくいく

年齢を重ねてから「まったくの未経験職種」へ転身するのは、ハードルが高く、時間もかかります。

だからこそ、学び直しは**これまでの経験との“掛け算”**で考えるのがおすすめです。

たとえば:

  • 営業経験 × データ分析 → 営業企画、CRM設計
  • 管理職経験 × コーチング → キャリア相談、人材育成
  • 経理経験 × ITスキル → 経理DX支援、RPA導入サポート

今ある経験に、ちょっとした“学び”を加えることで、実務で活かせる専門性が生まれます。


3. インプットだけじゃもったいない。実践でアウトプットを

事例:30代後半・元事務職のBさんの場合

事務職として10年働いていたBさん。
転職に失敗し、「このままじゃ何もできない」と危機感を覚えてWebデザインを学び始めました。

けれど、オンライン講座をいくつも受けても「手ごたえがない」「本当に身についてるのか分からない」と感じていたそうです。

そんな彼女が流れを変えたのは、クラウドワークスでの実践案件
最初は報酬もほとんど出ない副業でしたが、「やってみる」ことを優先して3件、5件と実績を積み重ねていきました。

半年後、ポートフォリオが充実したBさんには、制作会社から直接業務委託のオファーが届くことに。

このエピソードからわかるのは、学んだことを“使ってみる”ことで初めて力になるということ。
副業でもブログでもSNSでも、どんな形でもいいのでアウトプットすることが学びの定着につながります。


4. 学び直しを成功させる3つのポイント

目的をはっきりさせる

まずは、「なぜ学び直したいのか?」を自分に問いかけてみましょう。

  • 転職したいのか
  • 副業のためか
  • 今の仕事でステップアップしたいのか

目的が明確になると、学ぶべきことや取るべき行動も見えてきます。

小さく始める

いきなり高額なスクールに通う必要はありません。
まずはYouTube、Udemy、Voicy、無料のMOOCなど、スキマ時間で試せる方法から始めましょう。

「楽しい」「もっと知りたい」と感じられたら、本格的に学べばOKです。

学びの習慣をつくる

平日は忙しい…という人でも、朝の30分、通勤中の音声学習、週末のカフェ勉強など、習慣化すれば少しずつ続けられます。

また、SNSで発信する、仲間と学ぶ、学びの記録を残すなど、“続ける仕組み”を作っておくのも効果的です。


5. 専門性=資格じゃない

「専門性を身につけたい」と思うと、つい資格に目が行きがちですよね。

でも実は、資格よりも“実務で使えるスキル”の方が価値があるのです。

たとえば中小企業診断士や社労士などの国家資格を取っても、それだけでは仕事にはつながりません。その知識をどう活かして、誰にどんな価値を提供できるのかが問われます。

実際に現場で役立った経験や、成果につながった取り組みこそが、本当の“専門性”になります。


6. 学び直しに「遅すぎる」はない

「今さら学び直しても…」と感じる人もいるかもしれませんが、それは大きな誤解です。

たとえば:

  • 60歳で動画編集を学び、企業のYouTubeチャンネルを運営するようになった方
  • 定年後に中小企業のDX導入支援を行っている元SE
  • 主婦からWebライターへ転身した50代女性

など、「学び直し」で新たな働き方を手に入れた人はたくさんいます。

年齢は関係ありません。
今までの経験や人脈、考え方こそが、若手にはない大きな武器なんです。


最後に:「3年後も今のままでいい?」と自分に聞いてみよう

「自分には専門性がない」と感じたら、それは変化のチャンス。
あなた自身の可能性に気づく“きっかけ”かもしれません。

焦らず、小さく始めて、アウトプットしていくことで、必ず道は拓けます。

最後に、自分にこんな問いを投げかけてみてください。

「3年後も、今と同じ働き方をしていたい?」

もし答えが「NO」なら、今日がそのスタートライン。
学び直しは、いつ始めても遅くありません。
未来の自分をつくるのは、“いまの一歩”です。


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