
書類選考の平均通過率は?転職活動の“リアル”をデータで解説

はじめに:思ったより通らない…それが現実
「転職活動、始めてみたけれど書類で全然通らない」
「年齢のせい?スキルが足りない?それとも書き方の問題?」
こんな悩み、実はとても多くの方が抱えています。
転職活動の最初の関門が“書類選考”。これを通過しなければ、面接には進めません。
では、実際のところ、書類選考はどのくらいの確率で通るのでしょうか?
この記事では、データや実例を交えて、書類選考の“リアル”をわかりやすく解説していきます。
平均通過率は?【データで見る現実】
■ 通過率は約20〜30%
doda(パーソルキャリア)の2023年の調査によると、書類選考の平均通過率はおよそ25.6%。
つまり、4社〜5社に1社通れば平均的ということです。
また、リクルートエージェントによると、30社応募して5〜7社通過するのが一般的とのこと。これもやはり20〜25%程度の通過率です。
つまり、
- 10社応募しても7〜8社は不採用
- 面接までたどり着けるのはわずか数社
というのが、転職市場の現実です。
■ 年齢によって大きく変わる通過率
さらに、年齢によっても通過率には大きな差があります。
年齢層 | 書類通過率の目安 |
20代 | 約30〜40% |
30代 | 約25〜35% |
40代 | 約15〜25% |
50代以降 | 約10〜15% |
40代・50代になると、10社応募して1〜2社通るかどうかというレベル。
年齢が上がるにつれ、経験やスキルの“マッチ度”がより重視されるため、書類の通過率も自然と厳しくなります。
実例で見る:書類選考のリアル
ここでは、年齢や背景の異なる3名の転職事例をご紹介します。通過率の違いと、その要因がよく見えてきます。
【事例①】30代前半/営業職→事業企画(通過率33%)
プロフィール:大手メーカーで8年営業。キャリアアップを目指して事業企画職へ転職。
応募数と結果:15社応募 → 5社通過
工夫したポイント:
- 営業で培った「顧客理解力」や「データ分析力」を強みにPR
- 成果は数字で示し、説得力ある職務経歴書に(例:売上120%達成)
通過の理由:
異職種への転職でも、自分の経験を“翻訳”して伝えられれば、書類は通ります。
【事例②】40代後半/管理職→再就職(通過率18%)
プロフィール:中小企業で経営企画・部門長として長年活躍。リストラを機に転職活動をスタート。
応募数と結果:22社応募 → 4社通過
工夫したポイント:
- 求人ごとに応募書類をしっかりカスタマイズ
- 数値成果とともに「人材育成」や「業務改善」の実績を記載
通過の理由:
年齢や管理職経験がマイナスに働くこともあるため、プレイングマネージャーとしての柔軟性を意識して伝えることが効果的でした。
【事例③】50代/技術職→営業職(通過率7%)
プロフィール:製造業で25年勤務。品質管理の経験を活かしつつ、営業職へ挑戦。
応募数と結果:27社応募 → 2社通過
工夫したポイント:
- 顧客との交渉や社内調整の経験を「営業的スキル」としてアピール
- 志望動機には丁寧な手書きメッセージで熱意を表現
通過の理由:
スキル面だけでなく、人柄や誠実さが評価されるケースもあります。特に50代では“人としてどうか”が重視される傾向が。
書類選考に通るための5つのコツ
書類通過率を少しでも上げるために、以下のようなポイントを意識してみましょう。
① 応募先ごとに書類を変える
使い回しは印象が悪くなりがち。企業の求人内容に合わせて、自己PRや職務内容を毎回少しでもカスタマイズしましょう。
② 実績は「数字」で示す
「がんばりました」では伝わりません。
例:売上120%達成、業務効率15%改善 など、具体的な数字が説得力を生みます。
③ キャリアの「一貫性」を作る
たとえ異業種に見えても、「顧客視点を軸にキャリアを積んできた」など、軸が通ったストーリーにすると印象が良くなります。
④ 空白や短期離職も、きちんと説明
隠すのではなく、「その経験から何を得たか?」を丁寧に書くことが、プラスの印象につながります。
⑤ 第三者の目で見てもらう
転職エージェントや信頼できる知人に見てもらうと、思わぬ改善点に気づけます。自己チェックには限界があります。
書類で落ちても、「自分が否定されたわけではない」
書類選考が続けて落ちると、精神的にしんどくなることもありますよね。
でも、不採用になる理由の多くは、あなたの能力や人柄ではなく、“企業側の事情”や“タイミング”によるものです。
「今の会社の年齢構成に合わなかった」
「ポジションが途中でクローズになった」
「実は社内公募が本命だった」――こうした背景は、書類からは見えません。
落ちた理由にとらわれすぎず、次の応募に気持ちを切り替えましょう。
まとめ:通過率を知ることが第一歩
転職活動は、運の要素もありますが、戦略を立てて取り組めば成果が出る活動です。
- 通過率を知る
- 書類を磨く
- 自分の強みを言語化する
この3つを意識して、一歩ずつ積み上げていきましょう。
あなたの経験には、必ず価値があります。それを“伝わる形”で表現することが、成功へのカギです。