
管理職に向いてない…?そんなときに考えたい「営業キャリアの横展開」という選択肢

プレイヤーとしては活躍してきた。でも、管理職はしんどい…
営業職としてバリバリ数字を追い、成果を出してきた。
そんなあなたがキャリアを積み重ねる中で、こんな風に感じたことはありませんか?
- マネジメントの仕事が楽しくない
- 会議や資料作りばかりで、営業の面白さがなくなった
- 部下育成に苦戦して、自信をなくしている
- 「現場に戻りたい」と思ってしまう
でも、周りを見渡すと“昇進して管理職になるのが正解”という空気…。
「このまま続けるしかないのかな」と、自分に嘘をついて頑張っている方も多いのではないでしょうか。
そんな方にこそ知ってほしいのが、営業キャリアの“横展開”という選択肢です。
営業の「横展開」ってどういうこと?
横展開とは、役職やポジションを上げる“昇進”ではなく、職種やスキルの幅を広げるキャリアの作り方です。
たとえば、こんな形があります。
- インサイドセールスやカスタマーサクセスなどへの職種転換
- 営業 × マーケティング、営業 × 企画といったハイブリッド型の仕事
- 業界や商材を変えて、同じ営業職でも環境をガラッと変える
- 営業経験を活かして、SaaS企業などの支援職に転職する
つまり、「営業が好き。でも今のままの働き方は合わない」と感じたときに、“別の形で営業スキルを活かす”という選択です。
【実例①】「やっぱり現場が好き」38歳男性のインサイドセールス転職
東京在住のSさん(38歳)は、大手通信会社で法人営業を10年以上経験し、管理職にも昇進。順調にキャリアアップしているように見えました。
けれど、課長になってからは部下指導や社内調整に追われ、「自分が営業する時間がない…」と感じるように。プレイヤーとしての楽しさが失われ、モチベーションもダウン。
そんなとき、転職エージェントから紹介されたのがSaaS企業のインサイドセールス職。
「電話やメール中心だけど、顧客とのやり取りは濃くて面白い」という話に興味を持ち、思い切って転職を決意。
結果、年収は少し下がったものの、数字を追う営業のワクワク感が戻ってきたそうです。
「やっぱり、自分は“売る”のが好きなんだ」と再確認できたと話してくれました。
【実例②】管理職に疲れた女性営業、カスタマーサクセスで再スタート
関西で働くMさん(35歳)は、住宅メーカーで約8年間、法人営業として活躍していました。30代でチームリーダーに昇格したものの、部下との関係や社内政治にストレスを感じ、心が折れてしまいます。
その後、退職してしばらく休養。
「また営業に戻りたいけど、同じ働き方は無理かも…」と悩んでいたときに出会ったのが、IT企業のカスタマーサクセス職でした。
すでに契約済みの顧客に対して、サービスの活用支援や継続的なフォローを行う仕事。ノルマもなく、じっくり向き合えるスタイルに「これだ!」と感じたそうです。
「売るよりも“関係を育てる”仕事のほうが、自分には合っていた」と笑顔で語ってくれました。
横展開を成功させる3つのポイント
「横展開したい」と思っても、闇雲に動くとミスマッチのリスクもあります。
ここでは、実際に動く前に押さえておきたいポイントを3つにまとめました。
1. 自分の「強み」と「理想の働き方」を整理する
大切なのは、「自分は何が得意で、どんな働き方が合うのか?」を言語化すること。
たとえば…
- 顧客とじっくり付き合う営業が得意
- 人を巻き込むより、自分で完結する仕事が好き
- 数字より、お客様の声や信頼関係のほうがモチベーションになる
こんな“自分の傾向”を把握するだけでも、次の道が見えてきます。
2. 営業スキルが活かせる職種を知っておく
営業経験者が活躍しやすい「横展開向け職種」はたくさんあります。
- インサイドセールス(営業の前工程)
- カスタマーサクセス(既存顧客のフォロー)
- 営業企画・営業推進(戦略や仕組みづくり)
- BtoBマーケティング(リード獲得や販促)
- SaaSツールの導入支援職(元営業の視点が重宝される)
「営業=売るだけ」ではなく、周辺業務でも経験を活かせる場は多くあります。
3. 評価の軸が変わることを理解しておく
プレイヤー営業では「売った数=評価」でしたが、横展開すると成果の見え方が変わります。
たとえば、カスタマーサクセスは顧客満足や継続率が重視されるため、「目に見える成果が少ない」と感じる人もいるかもしれません。
最初はもどかしくても、「数字よりやりがい」「貢献感」「顧客とのつながり」といった別の価値軸で仕事を楽しめるようになります。
昇進がすべてじゃない。あなたに合った道を選ぼう
管理職にならなきゃキャリアとして失敗、なんてことはありません。
大切なのは、「自分に合った道を選べているかどうか」です。
「営業が好き。でも、今のままの働き方では続けられない」
そう思ったなら、無理に昇進を目指すのではなく、“横に広げる”という選択もアリです。
キャリアはひとつじゃない。
営業の経験を土台に、あなたらしい働き方を見つけていきましょう。