
出世できないのは“実力不足”じゃない?中堅営業がハマりがちな「評価の落とし穴」とは

「営業成績はずっとトップなのに、昇進の話がこない」
「後輩が自分より先にマネージャーになっていて、正直モヤモヤする」
そんな経験、ありませんか?
営業職って、「成果を出せば報われる仕事」と思われがちですよね。たしかに、若手のうちは数字=評価につながる場面も多いです。
でも、営業歴5年を超えた“中堅”に差し掛かると、事情はちょっと違ってきます。
実は、「なぜ昇進できないのか?」という疑問の答えは、あなたの“実力不足”ではなく、“評価されるポイント”を勘違いしているからかもしれません。
この記事では、営業としてしっかり成果を出している中堅社員が、なぜか出世につながらない理由を、事例も交えて解説していきます。
1|成果を出していれば評価される、とは限らない
▽ 見えている成果だけでは足りない?
営業で成果と言えば、やっぱり「売上」や「契約件数」といった数字ですよね。
でも、管理職を目指すとなると、それだけじゃ足りないんです。
評価されるには、“自分一人が売れる”ことより、“チームとして成果を出せる仕組みを作れるか”が大事になってきます。
【事例①】売上トップなのに昇進できなかったAさん
ある大手IT企業で働くAさん(38歳)は、5年連続で営業トップ。社内表彰も常連で、「次は絶対昇進だろう」と周囲も思っていました。
でも、いくら待ってもマネージャーの打診はなし。先に昇進したのは、自分より数字が下の後輩でした。
悔しくて上司に理由を聞いたところ、返ってきたのはこんな言葉でした。
「個人で成果を出す力は素晴らしい。でも、チームを巻き込んだ働き方ができていないよね。」
Aさんは、自分が“プレイヤー”としては優秀でも、“リーダー”としては評価されていなかったことに初めて気づいたのです。
2|出世する人が見ている“別の評価基準”
▽ 管理職候補に求められるのは「視座の高さ」
ある程度の営業経験を積むと、次に求められるのは、「自分の成果」から「組織全体への貢献」へ視点を広げられるかどうかです。
具体的にはこんなことが評価されます:
- チームの方針や戦略を提案する
- 後輩の育成やフォローに関わる
- 他部署との連携を積極的に進める
- 業務改善を自ら提案する
これらは“数字”には出にくいけれど、昇進する人たちはこうした「見えにくい部分」でも着実に信頼を積み重ねています。
【事例②】営業成績は平均でも昇進したBさん
Bさん(35歳)は、中堅メーカーの営業。数字的には「可もなく不可もなく」といった成績でした。
でも、30代前半で課長に昇進。その理由は──
- チームメンバーと一緒に目標を立てていた
- 売上が伸び悩む後輩と同行してアドバイスしていた
- マーケティング部と連携し、営業プロセスを効率化した
……といった“チームを引っ張る姿勢”がしっかり評価されていたからです。
3|マネジメントは「管理」じゃない
▽ 管理職に必要なのは“仕組み化する力”
「マネジメント=報告書の確認やKPIのチェック」と思っていませんか?
たしかに管理業務も大事ですが、それ以上に重要なのが、成果を「再現できる仕組み」に落とし込む力です。
たとえば、自分だけが売れるのではなく、「誰でも成果が出せるやり方」をチームに共有できるか。
これができる人こそ、組織から求められる“次のステージ”に立てるのです。
4|「上司に気に入られる人」が出世するわけじゃない
▽ 評価されるのは「ゴマすり」じゃなく「協働姿勢」
「どうしてあの人が出世するんだろう? 上司にうまく取り入ってるだけじゃない?」
そんなふうに思ったこと、あるかもしれません。
でも、それは少し誤解です。
実際に出世する人は、「上司と同じ目線でチームを考えて動いている」ことが多いんです。
たとえば、
- 上司の意図をくみ取って先回りする
- チーム全体のことを考えた行動をとる
- 後輩の育成を通じて、上司の負担を軽くしている
こうした“協働”の姿勢が信頼を呼び、結果として昇進につながっていきます。
5|これからの中堅営業が身につけたい3つの力
もしあなたが「出世したい」と考えているなら、以下の3つの力を意識してみてください。
(1)チームビルディング力
後輩の育成や、チーム全体で成果を出すための仕組みづくりを意識しましょう。
(2)巻き込み力とコミュニケーション力
他部署や他チームと連携し、成果を最大化するための“横のつながり”をつくることが大切です。
(3)課題発見力と提案力
数字だけでなく、「なぜ伸びないのか?」「どう変えればよくなるか?」という視点で、改善案を出していけると強いです。
6|今日から始められること
▽ 「いい仕事」は伝えなければ評価されない
どれだけいい行動をしていても、上司や周囲に伝わっていなければ評価にはつながりません。
だからこそ、「見せる・伝える」ことも仕事のうちです。
たとえば、
- ミーティングで自分の取り組みを共有する
- チームの成果を資料にまとめて報告する
- 上司との1on1で戦略的にアピールする
……といった形で、“見せ方”にも工夫してみましょう。
まとめ|昇進できないのは「成果」より「視点」がズレているからかも?
あなたが出世できない理由は、実力が足りないからではないかもしれません。
本当に必要なのは、「評価される働き方」へ視点を切り替えることです。
- 一人で成果を出すより、チームを育てられるか?
- 上司の目線を理解し、共に動けるか?
- 自分の強みをうまく“見せて”いけるか?
これらを意識するだけで、評価のされ方は大きく変わります。
今までやってきた努力を、ただ「違う方向」に見せていただけかもしれません。
今日からでも遅くありません。
次のステージを目指す一歩を、踏み出してみませんか?