新卒より給料が低い!?中高年が直面する“賃金逆転”のリアル

2025.6.07
コラム

「えっ、自分より新卒のほうが給料高いの!?」

そんなショックな出来事に直面した中高年の方、最近はけっして珍しくありません。

かつては「年を重ねれば自然と給料も上がっていく」時代でした。でも今は違います。年齢や勤続年数に関係なく、成果で評価される時代。新卒の初任給はどんどん上がる一方で、中高年の給料は横ばいか、むしろ下がるケースも…。

今回は、そんな「賃金逆転」の背景と現実、そしてこれからどう動けばいいのか?について、実例も交えてわかりやすくお話しします。


なぜこんなことに?賃金逆転が起きる理由

1. 年功序列が崩れたから

昔は「長く勤めていれば給料が増えていく」のが当たり前でしたよね。でも今は、“成果主義”がどんどん進んでいます。

企業側も、「年齢」ではなく「成果やスキル」で評価するように変わってきています。そうなると、若手でも結果を出せば高い給料がもらえますし、逆に中高年でも成果が少なければ給料は上がりません。

つまり、「年を取れば給料が上がる」は、もはや過去の話になっているんです。

2. 新卒の初任給がどんどん上がっている

最近の採用市場は、若手の奪い合いです。とくにITやベンチャー、外資系などは、初任給を大きく上げてきています。年収400万円スタートなんて、新卒でも全然珍しくない時代です。

その一方で、地方や中小企業に勤める中高年の給料はあまり上がらない。つまり、新卒の給料が上がっているのに、自分の給料は変わらない(あるいは下がる)。それで「逆転」が起きるわけです。


実際にあった“逆転”のエピソード

● 47歳営業職「新卒より年収が低くて、正直つらい」

Yさん(47歳)は、地方の中堅メーカーで営業をしています。20年以上のキャリアがあるにもかかわらず、昇進も昇給もストップ。年収は380万円。

あるとき、同じ部署に入ってきた新卒社員の年収が「400万円スタート」と知り、唖然としたそうです。

「新人に仕事を教える立場なのに、自分より給料が高い。正直、やる気がなくなりましたね…」と話してくれました。

● 52歳事務職「パートの若い子と手取りが変わらない」

Nさん(52歳)は、地元企業で事務の仕事をしています。家族の介護のために時短勤務に切り替えてから、ほとんど給料が上がらず、ボーナスもカット。

そんなある日、パート社員(20代後半)の給与明細と自分の手取り額を比較してみたところ、なんとほぼ同じ。「何年も働いてきたのに…」と、虚しさを感じたそうです。


給料が逆転すると、何が起きるのか?

1. モチベーションが下がる

「頑張っても報われない」と思ってしまうと、やる気が出ないですよね。成長しようという気持ちも薄れて、ただ時間だけが過ぎていく…。

これって本人にとっても、会社にとっても大きな損失です。

2. 若手との関係がギクシャクする

給料の逆転は、職場の人間関係にも影響します。「あいつの方が給料高いなんて納得いかない…」と心の中でモヤモヤする。そんな気持ちが積み重なると、チームの空気が悪くなる原因にもなります。

3. 離職や転職が増える

「このままじゃ将来が不安だ」と思い、転職を考える中高年も増えています。とくに子どもの教育費や住宅ローンがある世代にとって、収入の停滞は死活問題です。


じゃあどうする?中高年の“生き残り戦略”

1. 昇進だけがキャリアじゃない

「昇進できなかった=失敗」と思う必要はありません。役職にこだわらず、今のスキルを活かして違う仕事にチャレンジするのも一つの道。

たとえば、資格を取って専門職へ転身したり、副業を始めたり。今は選択肢が本当に広がっています。

2. 転職市場で“自分の価値”を知る

社内で評価されなくても、外の世界では高く評価される可能性もあります。40代・50代でも即戦力としてのニーズはありますし、マネジメント経験がある人は特に歓迎されやすいです。

まずは転職エージェントや求人サイトを使って、どんな求人があるのか見てみましょう。情報収集だけでも、気持ちが前向きになりますよ。

3. 働き方そのものを見直す

最近は、正社員だけじゃなくて、フリーランスや業務委託など多様な働き方が選べるようになっています。自分の得意分野を活かして、もっと自由な働き方を目指すのもアリです。

たとえば、文章が得意ならライターや講師業、経理の経験があるなら記帳代行や中小企業のサポートなど、自分のスキルはきっとどこかで役に立ちます。


企業も変わるべきとき

この“賃金逆転”問題は、社員だけでなく企業にとってもリスクです。

  • モチベーションの低下
  • 優秀な人材の流出
  • 社内の分断や不満の蓄積

これらを防ぐためには、企業側も次のような取り組みが必要です。

  • 成果に見合ったフェアな評価制度
  • 年齢に関係なく挑戦できる仕組み
  • 定期的なキャリア面談やサポート体制の整備

中高年社員の「もう一度頑張りたい」を応援する会社こそが、これから生き残っていくのではないでしょうか。


まとめ:「逆転現象」はチャンスにもなる

新卒より給料が低い――。そんな状況は、確かにつらいし、納得できない気持ちもよくわかります。

でも逆に言えば、「自分の働き方や生き方を見直すチャンス」でもあるんです。

キャリアに“遅すぎる”なんてことはありません。何歳からでも、新しい一歩は踏み出せます。自分らしく、前向きに働くために、今こそ“次の一手”を考えてみませんか?


Contact

お問い合わせやお仕事紹介はこちら