ハンデがあっても大丈夫!転職活動における成功戦略とは?(PASONAの法則から考える)

2025.4.12
コラム

はじめに

障害者の方が転職活動を行う際、自分に合った企業を見つけることには多くの課題があります。就職や転職において、障害に対するサポートが充実した職場や、障害者雇用に積極的な企業に出会うことが理想的です。こうした転職活動の課題に対して、マーケティングで効果を発揮している「PASONAの法則」を応用することで、自己分析と企業へのアピールが効果的に進み、理想の職場に近づくことができます。

PASONAの法則は「人の心に響くメッセージを構築するフレームワーク」として知られ、主にマーケティングで用いられますが、転職活動にも応用できるフレームワークです。この法則に基づいて、障害者の方が自分をアピールし、理想の職場を見つけるための具体的なステップを解説します。

 PASONAの法則とは?

PASONAの法則は、以下の6つの要素で構成されるフレームワークです。

1. P(Problem)問題:解決すべき課題や問題を見つける

2. A(Agitation)問題の深掘り:課題が解決しない場合の影響を考える

3. S(Solution)解決策:課題を解決するための方法を提案する

4. O(Offer)提案:相手にメリットのある提案をする

5. N(Narrowing)絞り込み:対象を絞り込み、効果的にアプローチする

6. A(Action)行動:実際に行動に移す

転職活動にこの流れを当てはめることで、自分の課題や強みを整理し、企業側に自分をより効果的にアピールすることができます。以下で、それぞれのステップごとに詳細な進め方を解説します。

 1. Problem(問題):自分の課題を明確にする

最初に、自分が抱えている問題や転職の理由を整理しましょう。障害者の方にとって、転職の課題は多岐にわたります。例えば、通勤の困難さや職場での配慮不足、人間関係などが挙げられます。このステップでは、現在の職場でどのような障害がキャリアの成長や働きやすさに影響しているのか、具体的な問題点を洗い出します。

 具体例

* 聴覚障害を持つAさん:「会議での情報伝達が十分にされず、業務に支障が出ている」

* 肢体不自由のBさん:「通勤が体に負担をかけ、仕事の質が低下している」

まず、こうした具体的な問題を認識し、解決すべき課題を明確にします。

 2. Agitation(問題の深掘り):課題が解決されない場合の影響を考える

次に、その課題が解決されない場合の影響やリスクについて深掘りします。たとえば、「今の職場での課題を解決しないと、どのようなデメリットがあるか」「自分の体調やメンタルにどのような影響が出るか」などを具体的に考えます。問題の深掘りを行うことで、転職先で求める職場環境がより明確になります。

 具体例

* Aさんの場合:「コミュニケーションが取りづらく、このままでは仕事のモチベーションが下がるだけでなく、業務でのミスも増えてしまうのではないかと不安を感じている」

* Bさんの場合:「体調が悪化することで、業務に集中できず、将来的なキャリア成長が難しくなるのではないかと危惧している」

こうした不安を整理することで、転職活動において優先すべき条件や希望がより具体的に見えてきます。

 3. Solution(解決策):自分のスキルや経験を整理する

問題の解決策として、自分が企業に提供できるスキルや経験を具体的に整理しましょう。障害者の方が転職活動でアピールする場合、自分の強みや、職務に対してどのように貢献できるかを明確に伝えることが重要です。特に、障害を補完するための工夫や経験をアピールポイントとして伝えることも効果的です。

 具体例

* Aさんの場合:「会議の内容はチャットやメールでフォローし、情報共有を工夫してきた」「顧客対応の経験が豊富で、メールでのサポートも得意」

* Bさんの場合:「通勤負担を減らせば業務に集中できる。オンラインでの顧客対応やリモートワークに適応する能力がある」

こうして、転職先でも活用できる自分のスキルを具体的に洗い出します。

 4. Offer(提案):希望する働き方と貢献できる価値を明確にする

転職先に対して、自分がどのような働き方を希望しているか、また企業に貢献できる価値を提案するステップです。特に障害者雇用に関しては、企業側もサポート体制を強化しようとしています。そのため、どのような働き方が自分にとって適切か、企業にとってもメリットがあるかを具体的に提案することが効果的です。

 具体例

* Aさんの場合:「在宅勤務やリモート会議の導入により、コミュニケーションの問題が解消されるため、生産性が向上します」

* Bさんの場合:「リモートでの顧客サポート業務に特化することで、通勤負担がなくなり、業務に集中できる」

自分にとっての働きやすさと企業に対する貢献を両立させるための提案を行うことで、企業側も前向きに検討しやすくなります。

 5. Narrowing(絞り込み):企業の候補を絞り込む

続いて、転職先の候補を絞り込みます。障害者雇用に積極的で、適切な支援制度を設けている企業を重点的にリストアップしましょう。転職活動が効率的に進められるように、自分のニーズに合致した企業を選ぶことが重要です。障害者向けの転職エージェントや専門の転職サイトの活用も効果的です。

 具体例

* Aさんの場合:「リモートワークが可能で、会議の際に文字起こしのサポートがある企業をリストアップ」

* Bさんの場合:「在宅勤務を推奨している企業や、通勤に配慮した支援がある企業を優先的にリサーチ」

このように、絞り込みを行うことで、自分に合った企業を効率的に見つけることが可能になります。

 6. Action(行動):実際に行動を起こす

最後のステップは、行動に移すことです。具体的には、履歴書や職務経歴書の作成、企業への応募、面接の準備などを進めていきます。履歴書には、これまでの経験だけでなく、自分が企業に対して提供できる価値や、自分の課題に対する解決策を記載することが重要です。また、面接でもPASONAの法則に沿って話すことで、企業側に自分の魅力や強みを伝えやすくなります。

以上が、PASONAの法則を活用して障害者の方が転職活動を成功させるための具体的なステップです。この法則を使うことで、論理的で効果的なアプローチが可能になり、自分に合った職場を見つける道筋が明確になるでしょう。

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