不動産営業から異業種へ転職する際の書類の工夫

2026.1.10
コラム

―「売ってきた人」から「活かせる人」へ―

不動産営業として働いてきた方の中には、
「異業種に挑戦したいが、書類選考がなかなか通らない」
そんな悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

結論から言えば、不動産営業経験者が異業種転職で苦戦する理由は、経験そのものではなく、書類での伝え方にあります。

本記事では、不動産営業から異業種へ転職する際に、書類で意識すべき工夫を事例とともに分かりやすく解説します。


なぜ不動産営業経験は評価されにくいのか

不動産営業は、決して簡単な仕事ではありません。
しかし、採用担当者からは次のように見られてしまうことがあります。

  • 業界特有の仕事で、他では使えなさそう
  • 個人プレーが中心で、協調性が弱そう
  • 売上重視で、調整力がなさそう

これらはあくまで「イメージ」です。
ただし、書類で説明しなければ、そのまま判断されてしまうのが現実です。

異業種転職では、
「何を売ってきたか」よりも
「どんな力を身につけたか」
を伝えることが重要になります。


工夫① 業界用語は使わない

不動産営業の職務経歴書で多いのが、業界用語の多用です。

  • 重説
  • 媒介取得
  • レインズ
  • 反響対応

不動産業界では当たり前でも、異業種の採用担当者には伝わりません。

言い換え例

× 不動産売買仲介における媒介取得から決済まで担当
○ 数千万円規模の高額商材を扱う提案営業として、初回相談から契約・引き渡しまでを一貫して担当

業界名ではなく、営業の流れで表現することで、経験の汎用性が伝わります。


工夫② 売上数字だけで終わらせない

「年間〇億円を売り上げた」
これは強い実績ですが、それだけでは不十分です。

異業種では、
「どうやって成果を出したのか」
が重視されます。

事例:IT業界へ転職したAさん(30代)

Aさんは高い売上実績を持っていましたが、書類選考が通りませんでした。

改善したのは次の点です。

  • 顧客の課題をどう整理したか
  • どんな提案を工夫したか
  • 関係者とどう調整したか

改善後の記載例

「顧客の要望を丁寧にヒアリングし、条件を整理した上で複数案を提案。検討期間が長い案件でも、段階的な提案により成約につなげた。」

これにより、「提案力」「課題整理力」が評価され、異業種転職に成功しました。


工夫③ 個人営業でも「調整力」を書く

不動産営業は、実は調整業務の連続です。

  • 売主と買主の条件調整
  • 金融機関や司法書士との連携
  • 社内との進捗共有

これを書かないと、「一人で売っていただけ」に見えてしまいます。

記載例

「社内外の関係者と連携し、条件調整やスケジュール管理を行いながら案件を進行」

異業種では、調整力やコミュニケーション力は高く評価されるスキルです。


工夫④ 志望動機で不満を語らない

異業種転職の志望動機で避けたいのが、不動産業界への不満です。

  • きつかった
  • ノルマが厳しかった
  • 働き方を変えたい

これらをそのまま書くと、マイナス評価になりやすくなります。

考え方のポイント

  • 不動産営業の経験は肯定する
  • 次に挑戦したい方向性を語る

例文

「高額商材の提案営業を通じて、顧客の意思決定を支援する力を身につけました。今後は、より長期的に顧客と関われる〇〇業界で、この経験を活かしたいと考えています。」


工夫⑤ 職務要約は「業界説明」にしない

職務要約は最初に読まれる重要な部分です。

NG

不動産売買仲介を中心に個人向け営業を担当。

OK

高額商材の提案営業として、顧客の課題整理から提案、意思決定支援までを担当。

業界名は後半で補足すれば十分です。


まとめ:不動産営業経験は「翻訳」すれば伝わる

不動産営業から異業種へ転職する際に必要なのは、新しい経験ではありません。
これまでの経験を、相手に伝わる言葉に置き換えることです。

  • 業界用語を使わない
  • 行動や工夫を書く
  • 調整力を明示する
  • 前向きな志望動機にする

これだけで、書類選考の通過率は大きく変わります。

不動産営業で培った経験は、異業種でも十分に通用します。
伝え方を変えれば、評価も変わります。


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