SaaS営業職への転職で必要な知識|事例で学ぶ「成果を出す営業」の思考法

2025.10.21
コラム

ここ数年、営業職の中でも注目を集めているのが 「SaaS営業」 です。
企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)が進むなか、
クラウド型サービスを提供するSaaS企業は急成長を遂げています。

その一方で、「SaaS営業って、普通の営業と何が違うの?」という疑問を持つ人も多いでしょう。
SaaS営業は、単に“契約を取る”仕事ではなく、“顧客の成功を支援する”仕事 です。

本記事では、SaaS営業への転職を考えている方に向けて、
必要な知識やスキル、そして成功事例 をわかりやすく紹介します。


1. SaaS営業とは?「売って終わり」ではなく「成功まで支える」営業

SaaS(Software as a Service)とは、
クラウド上でソフトウェアを提供するサービスのことです。
Salesforce、Slack、Zoom、freeeなどが代表的な例ですね。

従来のように買い切り型でソフトを販売するのではなく、
月額・年額のサブスクリプション契約で継続的に利用してもらうのがSaaSモデルの特徴です。

そのため、SaaS営業では次のような考え方が欠かせません。

  • 契約よりも「継続利用(リテンション)」が重要
  • 契約後の成果を一緒に作る「カスタマーサクセス思考」
  • 営業・マーケ・CSが一体で動くチームプレー

つまりSaaS営業は、“売って終わり”の営業ではなく、
**「顧客の成果を実現する営業」**なのです。


2. SaaS営業の主な職種と役割

SaaS企業では、営業組織が細かく分業化されています。
自分がどの職種に向いているかを理解しておくことが、転職成功の第一歩です。

職種役割特徴
インサイドセールス(IS)見込み顧客へのアプローチ・商談創出電話やメール中心。マーケ部門との連携が多い
フィールドセールス(FS)商談・提案・契約締結顧客課題のヒアリングと提案力が鍵
カスタマーサクセス(CS)導入支援・利用定着・解約防止契約後の成果づくりに伴走する
プリセールス技術的な観点からの営業支援IT・システム理解が求められる

SaaS営業は、チームで顧客の成功を支える仕事です。
「誰が契約を取ったか」よりも、「チームでどれだけ顧客を成功に導けたか」が評価されます。


3. SaaS営業職で求められる5つの知識

SaaS営業では、一般的な営業スキルに加えて、
ITやビジネスモデルに関する理解も欠かせません。
ここでは転職前に押さえておきたい5つのポイントを紹介します。


① SaaSビジネスモデルの理解

SaaS企業の成長を支える指標は、
「LTV(顧客生涯価値)」と「チャーンレート(解約率)」です。

契約件数よりも「どれだけ長く利用してもらえるか」が重要。
つまり、導入後に成果を出せる仕組みを作ることが営業の役割です。

例:あるSaaS企業では、「契約数」ではなく
「6か月後も活用率80%を維持している顧客数」を営業評価の指標としています。


顧客課題を深く理解する力

SaaS営業では、商品説明よりも 「顧客の課題をどれだけ正確に理解できるか」 が重要です。

事例:A社・佐藤さん(前職:商社営業)
最初は製品説明中心で成果が出ませんでしたが、
「営業データが分散して分析できない」という課題に着目し、
“営業活動の可視化”を提案。結果、成約率が2倍に。

SaaS営業の価値は「何を売るか」ではなく、「何を解決するか」にあります。


デジタルマーケティングの理解

SaaS企業では、マーケティング部門との連携が密接です。
リード(見込み顧客)の獲得・育成の流れを理解しておくことで、
より効果的な提案ができるようになります。

知っておくと良いキーワード:

  • MA(マーケティングオートメーション)
  • CRM(顧客管理システム)
  • インバウンド/アウトバウンドリード
  • ウェビナー・ホワイトペーパー活用

マーケの仕組みを理解しておくことで、
自分の営業活動を「データで改善」できるようになります。


④ IT・クラウドの基礎知識

技術職ではないものの、SaaS営業には 最低限のITリテラシー が必要です。
顧客からの質問に簡潔に答えられるレベルを目指しましょう。

覚えておきたいキーワード:

  • クラウドとオンプレミスの違い
  • SaaS/PaaS/IaaSの関係
  • API連携とは何か
  • データセキュリティの基本

“わからないから説明できない”では信頼を得られません。
営業でも「システムの仕組みを理解している」ことが差になります。


カスタマーサクセス思考

SaaS営業の根幹にあるのが 「カスタマーサクセス思考」 です。
顧客が契約後も成果を出し続けられるように支援することが、最も重要です。

事例:B社・田中さん(前職:不動産営業)
契約後も定期的に訪問し、「他社で成果が出た活用事例」を紹介。
結果、解約率が業界平均の半分以下になり、紹介による新規契約も増加。

契約はゴールではなくスタート。
「顧客の成功を一緒に喜べる」姿勢こそ、SaaS営業の本質です。


4. SaaS営業に向いている人の特徴

SaaS営業は、次のようなタイプの人に向いています。

  • 論理的に課題を整理できる人
  • データや数字で考えるのが得意な人
  • 顧客の成功を自分の喜びとして感じられる人
  • 新しい知識を吸収し、変化を楽しめる人

成果を“数字”で追いながら、顧客の“成長”にも関われる。
そんな両立ができるのが、SaaS営業のやりがいです。


5. 未経験からSaaS営業へ転職する3ステップ

SaaS営業は人気職種ですが、未経験でもチャンスは十分あります。
以下の3ステップを意識して準備してみましょう。

ステップ①:業界理解から始める

YouTubeや業界メディアで「SaaSとは」「カスタマーサクセスとは」などを学ぶ。
基礎用語を押さえるだけで面接の印象が大きく変わります。

ステップ②:前職経験を“課題解決力”として整理

たとえば、

  • 商社営業 → ヒアリング力
  • 不動産営業 → 顧客フォロー力
  • 広告営業 → マーケ視点

自分の経験をSaaS営業の価値に置き換えて伝えることが大切です。

ステップ③:ツールを実際に触ってみる

SalesforceやHubSpotの無料トライアルを試しておくと、
面接時に理解度を具体的に話せます。
また、ChatGPTなどAIツールを活用していると話せると好印象です。


6. 転職成功事例

事例1:メーカー営業からSaaS営業へ(30代男性)

価格競争に疲れ、「成果で勝負できる営業」を求めて転職。
IT知識ゼロからの挑戦でしたが、課題ヒアリング力が評価され半年でトップセールスに。
「顧客の成長を支える仕事が楽しい」と語ります。

事例2:人材業界出身の女性がCS職で活躍

前職で培ったフォロー力を武器にカスタマーサクセス職へ。
「顧客と並走する姿勢」が評価され、入社3ヶ月で社内表彰を受ける。
現在は開発チームと連携し、プロダクト改善にも関わっています。


7. まとめ|SaaS営業は“知識より姿勢”

SaaS営業への転職で求められるのは、
ITスキルよりも「顧客の成功に本気で向き合う姿勢」です。

  • SaaSモデルを理解し、LTV思考で動く
  • 顧客課題を正確に捉える
  • デジタルやクラウドの基礎を押さえる
  • 成果を顧客と一緒に作り上げる

SaaS業界は今後も成長が続く分野です。
「誰かの成果を支えたい」「顧客と一緒に成長したい」——
そんな想いを持つ方に、SaaS営業は最適なキャリアになるでしょう。


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