
職務経歴書で既存営業と新規営業の経験をどう書き分けるか|事例付き解説

営業職は転職市場で常に人気があります。
ですが、「既存営業」と「新規営業」では仕事内容も評価基準も大きく違います。
職務経歴書でこの違いを曖昧に書いてしまうと、せっかくの実績が伝わらず、採用担当者に強みを理解してもらえません。
この記事では、既存営業と新規営業の経験をどう書き分ければよいかを、事例を交えて解説します。
1. 既存営業と新規営業の違い
既存営業
- 取引先との関係を守り、広げるのが中心
- 定期訪問やフォローが基本
- 評価される点:契約更新率、顧客満足度、追加提案による売上拡大
- 強み:信頼関係の構築力、課題解決力
新規営業
- 新しい顧客を開拓するのが中心
- 方法:飛び込み、テレアポ、展示会、紹介など
- 評価される点:新規契約数、売上、目標達成率
- 強み:行動量、粘り強さ、突破力
つまり、既存営業は「深める力」、新規営業は「切り拓く力」が求められます。
2. 書き分けるメリット
- 強みが一目で伝わる
既存営業型なのか新規営業型なのか、採用担当者がすぐに判断できます。 - 応募先とのミスマッチを防げる
新規営業を重視する会社に既存営業中心の記載をしてしまうと「不向きかも」と思われるリスクがあります。逆も同じです。 - 成果を数字で比較しやすい
「契約更新率95%」「新規30社開拓」など、数値で並べることで実績がより明確に伝わります。
3. 書き分けのコツ
(1) 担当領域をはっきり書く
- 「法人向け既存営業(ルート中心)」
- 「新規法人開拓営業」
- 「既存7割・新規3割」
(2) 成果は分けて記載する
- 既存営業:契約更新率、リピート率、売上拡大
- 新規営業:開拓件数、売上、達成率
(3) 数字で具体的に書く
「売上増加」よりも「前年比120%達成」のほうが伝わりやすいです。
4. 既存営業の事例
NG例
顧客フォローを中心に営業活動を担当。取引拡大を行った。
→ 具体性に欠け、成果がわかりません。
改善例
既存顧客約100社を担当。定期訪問を通じて課題をヒアリングし、解決策を提案。
その結果、主要顧客20社で契約更新率95%を維持。さらに、クロスセル提案により売上を前年比120%に拡大。
→ 担当顧客数や成果が数字で伝わり、信頼性が増します。
5. 新規営業の事例
NG例
新規開拓営業を担当し、多くの顧客を獲得した。
→ 抽象的で実績が見えません。
改善例
新規開拓を担当。飛び込み訪問・テレアポ・展示会を通じて顧客にアプローチ。
年間で新規顧客30社を開拓し、売上1,500万円を創出。
新規目標120%を達成し、社内表彰を受賞。
→ 成果と評価が具体的に伝わります。
6. 両方担当していた場合の書き方
比率を示し、成果を分けて書きましょう。
記載例
営業担当として既存:新規=7:3の割合で活動。
- 【既存営業】約50社を担当し、解約率5%未満を維持。追加提案により売上前年比110%を達成。
- 【新規営業】展示会や紹介を通じて年間10社を新規開拓。売上500万円を創出。
7. アピールを強化する工夫
- プロセスも書く
「週100件のテレアポで、アポイント率を社内平均の1.5倍に向上」など、成果に至る行動を示す。 - 社内評価も活用する
「MVP受賞」「社長賞獲得」といった表彰歴は強いアピールになります。 - 応募先によって強調を変える
新規営業重視なら新規実績を多めに、既存営業重視ならフォロー実績を厚めに記載。
まとめ
職務経歴書で既存営業と新規営業を区別せず書いてしまうと、強みが伝わらず、評価されにくくなります。
- 担当領域を明確にする
- 成果は既存と新規に分ける
- 数字で具体的に示す
- 応募先に合わせて強調を変える
この4つを意識すれば、採用担当者に「この人は即戦力になりそうだ」と感じてもらえる職務経歴書になります。
営業職は需要が高く、競争も激しい職種です。だからこそ、既存営業と新規営業の経験を正しく書き分けることが、内定を勝ち取る大きな一歩になるでしょう。