職務経歴書で既存営業と新規営業の経験をどう書き分けるか|事例付き解説

2025.9.12
コラム

営業職は転職市場で常に人気があります。

ですが、「既存営業」と「新規営業」では仕事内容も評価基準も大きく違います。

職務経歴書でこの違いを曖昧に書いてしまうと、せっかくの実績が伝わらず、採用担当者に強みを理解してもらえません。

この記事では、既存営業と新規営業の経験をどう書き分ければよいかを、事例を交えて解説します。


1. 既存営業と新規営業の違い

既存営業

  • 取引先との関係を守り、広げるのが中心
  • 定期訪問やフォローが基本
  • 評価される点:契約更新率、顧客満足度、追加提案による売上拡大
  • 強み:信頼関係の構築力、課題解決力

新規営業

  • 新しい顧客を開拓するのが中心
  • 方法:飛び込み、テレアポ、展示会、紹介など
  • 評価される点:新規契約数、売上、目標達成率
  • 強み:行動量、粘り強さ、突破力

つまり、既存営業は「深める力」、新規営業は「切り拓く力」が求められます。


2. 書き分けるメリット

  1. 強みが一目で伝わる
    既存営業型なのか新規営業型なのか、採用担当者がすぐに判断できます。
  2. 応募先とのミスマッチを防げる
    新規営業を重視する会社に既存営業中心の記載をしてしまうと「不向きかも」と思われるリスクがあります。逆も同じです。
  3. 成果を数字で比較しやすい
    「契約更新率95%」「新規30社開拓」など、数値で並べることで実績がより明確に伝わります。

3. 書き分けのコツ

(1) 担当領域をはっきり書く

  • 「法人向け既存営業(ルート中心)」
  • 「新規法人開拓営業」
  • 「既存7割・新規3割」

(2) 成果は分けて記載する

  • 既存営業:契約更新率、リピート率、売上拡大
  • 新規営業:開拓件数、売上、達成率

(3) 数字で具体的に書く

「売上増加」よりも「前年比120%達成」のほうが伝わりやすいです。


4. 既存営業の事例

NG

顧客フォローを中心に営業活動を担当。取引拡大を行った。

→ 具体性に欠け、成果がわかりません。

改善例

既存顧客約100社を担当。定期訪問を通じて課題をヒアリングし、解決策を提案。
その結果、主要顧客20社で契約更新率95%を維持。さらに、クロスセル提案により売上を前年比120%に拡大

→ 担当顧客数や成果が数字で伝わり、信頼性が増します。


5. 新規営業の事例

NG

新規開拓営業を担当し、多くの顧客を獲得した。

→ 抽象的で実績が見えません。

改善例

新規開拓を担当。飛び込み訪問・テレアポ・展示会を通じて顧客にアプローチ。
年間で新規顧客30社を開拓し、売上1,500万円を創出
新規目標120%を達成し、社内表彰を受賞。

→ 成果と評価が具体的に伝わります。


6. 両方担当していた場合の書き方

比率を示し、成果を分けて書きましょう。

記載例

営業担当として既存:新規=7:3の割合で活動。

  • 【既存営業】約50社を担当し、解約率5%未満を維持。追加提案により売上前年比110%を達成
  • 【新規営業】展示会や紹介を通じて年間10社を新規開拓。売上500万円を創出。

7. アピールを強化する工夫

  • プロセスも書く
    「週100件のテレアポで、アポイント率を社内平均の1.5倍に向上」など、成果に至る行動を示す。
  • 社内評価も活用する
    「MVP受賞」「社長賞獲得」といった表彰歴は強いアピールになります。
  • 応募先によって強調を変える
    新規営業重視なら新規実績を多めに、既存営業重視ならフォロー実績を厚めに記載。

まとめ

職務経歴書で既存営業と新規営業を区別せず書いてしまうと、強みが伝わらず、評価されにくくなります。

  • 担当領域を明確にする
  • 成果は既存と新規に分ける
  • 数字で具体的に示す
  • 応募先に合わせて強調を変える

この4つを意識すれば、採用担当者に「この人は即戦力になりそうだ」と感じてもらえる職務経歴書になります。

営業職は需要が高く、競争も激しい職種です。だからこそ、既存営業と新規営業の経験を正しく書き分けることが、内定を勝ち取る大きな一歩になるでしょう。


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