営業職転職で活かせる自己分析のやり方

2025.11.18
コラム

~自分の強みを知れば、転職はもっと上手くいく~

はじめに:転職成功のカギは「自己理解」

営業職の転職を考えるとき、多くの人がまず求人情報を見たり、待遇を比較したりします。
しかし、転職を本当に成功させるには、まず“自分を知る”ことが欠かせません。

営業という仕事は、数字で成果が見える一方で、やり方や強みは人それぞれです。
「行動量で結果を出すタイプ」もいれば、「提案力で信頼を得るタイプ」もいます。
自分がどんなタイプなのかを理解していないと、せっかく転職しても「思っていた仕事と違う」と感じることになります。

この記事では、営業職の転職に役立つ自己分析のやり方を、実例を交えながらわかりやすく解説します。


第1章 なぜ営業職の転職に自己分析が必要なのか

営業職は成果が明確に数値化される仕事です。
そのため、履歴書や面接では「売上」「契約件数」といった実績を語る人が多いでしょう。
しかし、企業が知りたいのは“なぜその成果を出せたのか”という部分です。

1.1 「数字の裏側」を説明できる人が強い

例えば、同じ売上1億円を上げていても、営業スタイルは人によって違います。

  • Aさん:新規開拓中心。行動量で勝負するタイプ。
  • Bさん:既存顧客との信頼関係を深めるタイプ。

同じ成果でも「どんなやり方で」「何を強みに」結果を出したのかが違うのです。
この“自分の型”を理解して言語化できれば、転職面接でも説得力を持って話せます。

1.2 ミスマッチを防ぐためにも欠かせない

転職後に「会社の営業スタイルが合わなかった」「インセンティブ制度が自分に向いていなかった」という声はよく聞きます。
自己分析をしておけば、自分に合う環境・やり方を把握できるため、こうしたミスマッチを防げます。


第2章 営業職の自己分析3ステップ

自己分析といっても、難しく考える必要はありません。
次の3ステップで整理すれば、誰でもスムーズに自分の強みを見つけられます。


ステップ1:過去の成果と行動を棚卸しする

まずは、自分がこれまでどんな成果を出してきたかを書き出してみましょう。
重要なのは、「どうやって成果を出したのか」を掘り下げることです。

事例:法人営業のTさん

TさんはIT機器販売会社で5年間勤務。最初の2年は新規開拓で苦戦していましたが、
お客様の課題を丁寧にヒアリングするスタイルに変えたところ、提案の質が上がり、受注率も大幅に改善しました。

Tさんの分析結果:

  • 成果:年間売上1.2億円(前年比150%)
  • 強み:課題発見力・提案書作成スキル
  • 成功要因:顧客課題の可視化と社内連携の強化

この「自分は課題解決型の提案営業に向いている」という気づきが、次の転職で活きました。
転職先では提案営業を中心に任され、1年目からトップセールスに。


ステップ2:営業スタイルを分類して、自分の型を知る

営業にはいくつものスタイルがあります。
自分がどのタイプに当てはまるかを整理しておくと、応募先の会社との相性を見極めやすくなります。

営業スタイル特徴向いているタイプ
新規開拓型未開拓市場に飛び込み、案件を作る行動力・突破力がある人
ルート営業型既存顧客を丁寧にフォロー信頼構築・継続関係が得意な人
提案営業型顧客課題を解決する提案型論理的思考・ヒアリング力がある人
反響営業型問い合わせや来店対応中心誠実な説明力・安心感を与える人

事例:住宅営業のKさん

Kさんはハウスメーカーで来店型営業を担当していました。
自己分析の結果、「飛び込みよりもお客様の相談にじっくり向き合う方が得意」と判明。
そこで、反響営業中心の不動産会社に転職し、半年で成約件数トップを獲得しました。


ステップ3:モチベーションの源を見つける

営業の成果は環境によって左右されますが、「やる気の源」は人それぞれです。
自分が何に喜びを感じるかを知っておくことも、自己分析の大切な一部です。

自分に問いかけてみる質問

  • どんなお客様と仕事をするときに一番やる気が出たか?
  • どんな成果を出したときに最も達成感を感じたか?
  • 困難な時期をどう乗り越えたか?
  • 「自分らしい営業」とはどんな姿か?

事例:人材営業のSさん

人材紹介会社で働いていたSさんは、数値ノルマに追われて疲弊していました。
自己分析を進めるうちに、「数字よりも求職者の成長を支える瞬間が一番嬉しい」と気づきます。
その後、キャリア支援重視のコンサル会社に転職し、フォロー満足度No.1を獲得。
“自分らしい営業”を取り戻しました。


第3章 面接で自己分析の成果を伝えるコツ

せっかく自己分析をしても、それを上手く伝えられなければ意味がありません。
面接では「強み→行動→成果」という流れで話すのがポイントです。

3.1 STAR法で整理する

STAR法とは、次の4つの要素で経験をまとめる方法です。

  1. Situation(状況):どんな環境だったか
  2. Task(課題):どんな課題を与えられたか
  3. Action(行動):どんな行動を取ったか
  4. Result(結果):どんな成果を上げたか

例文

「既存顧客の離脱が増えていた状況(S)で、更新率向上の課題(T)を任されました。
顧客アンケートで原因を分析(A)し、改善提案を行った結果、更新率を15%向上させました(R)。」

この構成で話すと、具体的で印象に残ります。


第4章 自己分析で見える3つの営業キャリアパス

自己分析を進めると、自分がどんなキャリアを歩みたいのかも見えてきます。
営業職には大きく3つの方向性があります。

キャリア方向特徴向いている人
プレイヤー型自分の成果で評価される目標達成志向が強い人
マネジメント型チームをまとめ、育成する指導・仕組みづくりが得意な人
スペシャリスト型特定分野で専門性を深める技術・課題解決が好きな人

自分の価値観が「成果」「人」「専門性」のどこにあるかを知ることで、転職後の方向性が明確になります。


第5章 自己分析は“転職前だけ”のものではない

自己分析は一度きりの作業ではなく、キャリアを通して続けることで効果を発揮します。
入社後も定期的に振り返り、自分の成長や課題を確認する習慣をつけましょう。

継続のコツ

  • 月1回、自分の営業活動を振り返る
  • 売上だけでなく「顧客満足度」や「提案の質」も評価する
  • 上司や同僚からフィードバックを受ける

この習慣が、営業としての「自分の型」を進化させていきます。


まとめ:自己理解が、次の営業キャリアを変える

営業職の転職では、経験年数やスキル以上に「自分を理解しているかどうか」が問われます。
自己分析を通して、

  • 自分の営業スタイルを明確にし、
  • 強みと弱みを整理し、
  • モチベーションの源を見つける。

この3つを押さえれば、面接で自信を持って語れるだけでなく、転職後も成果を出しやすくなります。

成功している営業パーソンの多くは、自己分析を“習慣”にしています。
あなたも今日から、自分を深く知る時間をつくり、次のキャリアをより確かなものにしていきましょう。


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