営業職転職後の上司との信頼関係構築法

2025.11.16
コラム

〜信頼される営業は、まず「上司との関係」から始まる〜


はじめに:転職後の「最初の壁」は上司との関係

営業職として転職した直後、多くの人がぶつかるのが「新しい上司とうまくやっていけるか」という壁です。
仕事のやり方も、指導方針も、前の会社とはまったく違う。
成果を出す前に、まずは信頼を得たいけれど、どう距離を詰めたらいいかわからない——。

そんな悩みを抱える営業職の方は少なくありません。

実は、転職後に早く成果を出す営業ほど、この「上司との信頼関係づくり」が上手です。
営業は個人の力で勝負するように見えて、実際は上司の理解と支援をどれだけ引き出せるかが、成功のカギを握ります。

この記事では、転職直後に信頼を築き、成果を上げた営業の実例を交えながら、上司との関係をうまく築く方法を紹介します。


1. 信頼される人は、まず“観察”から始める

上司のタイプを見極める

転職してすぐに結果を出そうと焦ると、つい自分のやり方を押し通してしまいがちです。
でも、最初にやるべきは上司を観察することです。

上司の指導スタイルや価値観を理解できれば、無駄な衝突を避けられ、効果的な報連相(報告・連絡・相談)ができます。

たとえば、メーカー営業に転職したAさん(37歳)は、前職が“自主性重視”の社風でした。
しかし新しい上司は「細かく共有してほしい」タイプ。最初は窮屈に感じたものの、上司の意図をよく観察すると、「上層部への報告精度を高めたい」という目的があるとわかりました。

Aさんはその後、上司が求めるフォーマットを改良し、毎朝10分の報告ミーティングで要点だけをまとめて伝えるようにしました。
すると上司の信頼を得て、社内評価が一気に上がったのです。

信頼の第一歩は「理解」から。上司の“性格”ではなく“目的”を見ることが大切です。


2. 報連相は“内容”より“タイミング”

多くの営業が見落としがちなのが、「何を伝えるか」より「いつ伝えるか」で信頼が決まるということです。
上司が知りたいのは「結果」よりも、「今どの段階で、どう動いているか」という“進捗感”です。

Bさん(42歳)は、IT営業に転職してすぐ、商談の結果を週報でまとめて提出していました。
しかし上司からは「報告が遅い」「情報がリアルタイムで来ない」と評価されませんでした。

そこで、Bさんは商談後すぐに短いチャットを送るよう変更。
「本日〇〇社と打ち合わせし、次回提案の方向性が見えてきました」
この一文をその日のうちに送るだけで、上司の反応が一変しました。

「助かる」「スピード感がある」と言われ、重要案件を任されるようになり、半年後にはリーダー候補に抜擢。

信頼を得る営業は、報告の“質”ではなく“鮮度”を大切にしています。


3. 「助けてもらう」ことも信頼関係の一部

転職直後は「早く認められたい」と思うあまり、つい強がってしまいがちです。
でも、完璧を装うほど上司との距離は遠のきます。

Cさん(39歳)は、前職でトップセールスだった自信から、転職先でも「自分でなんとかする」と考えていました。
しかし商談でトラブルが発生し、相談できずに受注を逃してしまいました。

その後、Cさんは考え方を変え、「苦手な分野は早めに相談する」と決めました。
上司のアドバイスをもとに提案書を改善した結果、次の商談で大口契約を獲得。

上司は後にこう話しています。
「素直に相談してくれたことで、彼を本気で助けたいと思えた」と。

弱みを隠さずに頼ること。
それが、信頼を深める一番の近道です。


4. 感謝と称賛を言葉にする

成果を出すことばかりに意識が向きがちな営業ですが、信頼を育てる上で意外に効くのが「感謝の一言」です。
上司も人間。感謝されればうれしいし、部下をもっと応援したくなるものです。

Dさん(34歳)は、上司との関係がぎこちなかった時期に、同行商談で助けられました。
帰社後に「本日フォローいただき本当に助かりました。あの一言で商談がまとまりました」とメッセージを送ると、上司の態度が一変。
翌週からは自ら同行を申し出てくれるようになったのです。

感謝は、上司を“味方”に変える最強の言葉です。


5. 成果を「一緒に勝った」と共有する

営業の成果はもちろん重要ですが、信頼を築くうえでは「成果をどう伝えるか」も大事です。

Eさん(40歳)は、転職3ヶ月目で大きな契約を獲得しました。
その際、「上司のアドバイスのおかげで決まりました」と伝えたところ、上司はとても喜び、「次も一緒に取ろう」と声をかけてくれたそうです。

上司にとって、部下の成果は自分の成果でもあります。
「一緒に勝った」と感じてもらうことで、関係はより強くなります。

信頼は“個人プレー”ではなく、“チームプレー”から生まれます。


6. 誠実さが信頼の土台になる

どんなに成果を出しても、約束を守らない、態度が横柄、愚痴が多い——。
そんな人は長く信頼されません。

一方、誠実な人はどの職場でも必ず評価されます。

転職後の最初の3ヶ月は、実績よりも**「信用を積み上げる期間」**と考えましょう。
小さな約束を守り、上司の時間を大切にし、フィードバックを素直に受け止める。
その積み重ねこそが、信頼を得る最短ルートです。


7. まとめ:信頼関係がキャリアの未来を変える

転職直後の営業にとって、上司との関係構築は「最初の壁」であり、「最強の武器」です。
上司に信頼されれば、チャンスが巡り、サポートも得られます。
そして最終的に、「この人に任せたい」と思われる存在になれるのです。


信頼構築の7つのステップ

  1. 上司のタイプを観察し、目的を理解する
  2. 報連相は“タイミング重視”でリアルタイムに
  3. 弱みを隠さず、素直に相談する
  4. 感謝や称賛を言葉にする
  5. 成果は「一緒に勝った」と共有する
  6. 小さな約束を守り、誠実に行動する
  7. “理解→行動→結果”を継続する

転職後の人間関係は不安も多いもの。
でも、「上司との信頼構築」は、営業として長く活躍するための土台です。

焦らず、誠実に、相手を理解する姿勢を持ち続けましょう。
その積み重ねが、やがてあなたのキャリアを大きく動かしていきます。

成果を出す前に、まず信頼を得る。
それが、転職後に最速で結果を出す営業の共通点です。


Contact

お問い合わせやお仕事紹介はこちら