営業職転職で評価される「初月の行動」─信頼をつかむための最初の1か月
営業職として新しい会社に転職したとき、最初の1か月の行動が、その後の評価を大きく左右します。
営業は成果がすべてと言われる世界ですが、実は「初月での印象づくり」が、その後の成績や人間関係に直結します。
今回は、営業職が転職後の初月に“評価される人”になるために、どんな行動を取るべきか。
実際の事例を交えながら、わかりやすく解説します。
1. 初月は「数字」より「信頼づくり」が最優先
転職直後は、どうしても「早く売上を上げたい」と焦ってしまいます。
ですが、初月は数字よりも信頼を得ることが一番大切です。
信頼があってこそ、顧客も社内もあなたをサポートしてくれます。
●事例:焦りが裏目に出たAさん
30代で不動産営業に転職したAさん。
「初月で契約を取りたい」と意気込み、知識が浅いまま提案を進めた結果、見積書に誤りが発覚。
上司や同僚の信頼を失い、その後の案件も任せてもらえなくなってしまいました。
●教訓:まずは「社内の信用」を築く
初月に大切なのは、「この人なら安心して任せられる」と思われること。
報告・連絡・相談を丁寧に行い、学ぶ姿勢を見せましょう。
焦るよりも、誠実な行動を重ねるほうが結果的に評価につながります。
2. 「社内営業」を大切に──味方を増やすのも営業力
営業というと顧客との関係づくりに目が行きがちですが、
実は社内での人間関係づくりも同じくらい重要です。
転職初月は、まだ社内の仕組みも人も分からない状態。
まずは社内の「味方」を増やしましょう。
●初月で意識したい3つの行動
- 先輩に積極的に質問する
→ 学ぶ姿勢を見せると、教えてもらいやすくなります。 - 事務スタッフと仲良くなる
→ 見積書や契約処理がスムーズに進み、信頼も得られます。 - 上司へ小まめに報告する
→ 「この人は安心して任せられる」と思ってもらえます。
●事例:社内連携で成功したBさん
メーカー営業に転職したBさんは、初日に全社員へ挨拶メールを送り、
技術部門やサポート部門のキーパーソンとランチを重ねました。
その結果、製品知識を早く身につけ、2か月目には大型案件に同行。
「理解が早くて頼もしい」と社内で高い評価を得ました。
3. 顧客訪問は「数」より「質」で勝負する
「まずは訪問件数を増やそう」と考える人は多いですが、
初月に大事なのは件数よりも訪問の質。
顧客の現状や課題を深く理解する姿勢が、結果的に信頼と成果につながります。
●初月の理想的な動き方
| 週 | 行動 | 目的 |
| 第1週 | 顧客情報・担当エリアの整理 | 顧客構造を把握する |
| 第2週 | 既存顧客への挨拶・ヒアリング | 関係性を築く |
| 第3週 | 社内で情報共有・改善提案 | チーム貢献を見せる |
| 第4週 | 改善案をもとに再訪問 | 信頼を深める |
●事例:顧客理解で抜け出したCさん
IT営業に転職したCさんは、初月の訪問件数は10件ほど。
しかし、すべての顧客にヒアリングシートを持参し、丁寧に話を聞きました。
その内容を社内で共有したところ、上司から「顧客理解が深い」と評価。
翌月には重要案件の中心メンバーに抜擢されました。
4. 「メモ」と「報連相」で信頼を勝ち取る
営業はスピードと正確さが命。
そのため、初月はとにかくメモを取ること、そして報連相を欠かさないことが評価を分けます。
●実践ポイント
- 商談後は必ず「議事録」を共有
- 新しいルールや業務はメモして翌日復唱
- 報告は「事実」「感じたこと」「次の行動」をセットで伝える
例文:
「本日訪問した〇〇商事様では、来月契約更新を予定しています。
現行プランに不満はないものの、新商品の情報に関心を示されました。
来週、資料を準備して再訪問する予定です。」
●事例:丁寧な共有で信頼をつかんだDさん
アパレル営業から法人営業へ転職したDさん。
専門知識に不安がありましたが、どんな会議も必ずメモを取り、
翌日には「昨日の確認事項」をまとめて上司に送信。
「抜けがなく安心できる」と評価され、早期に主要顧客を任されるようになりました。
5. 「前職の強み」を自然に活かす
転職者が高く評価されるのは、前職で培った経験を新しい環境で活かせたときです。
ただし、押しつけがましくアピールするのではなく、行動で示すのがポイントです。
●事例:SNSの知識でチームを支えたEさん
Eさんは前職でSNSマーケティングを担当していました。
転職後、営業資料のデザインを改善し、社内用テンプレートを作成。
上司から「新しい発想を持っている」と高く評価され、
初月からチームに貢献できる存在として認められました。
6. 「小さな成果」をしっかり“見える化”する
初月はまだ契約などの大きな成果が出にくい時期です。
それでも、行動の積み重ねを“見える化”することで、努力はきちんと評価されます。
●見える化のコツ
- 日報・週報に「行動+学び」を記録
- ミーティングで“気づき”を共有
- 1件でも新規アポイントを取れたら具体的に報告
●事例:行動量を武器にしたFさん
人材紹介会社に転職したFさんは、初月は契約ゼロでした。
しかし、毎日のテレアポ件数や商談メモをSlackで共有し、
上司から「行動が見える」「成長が早い」と高評価。
3か月後にはチームトップの成果を上げました。
7. 初月にやりがちなNG行動
評価を落とす行動も、意外と多くあります。
次の3つは特に注意しましょう。
- 前職の話ばかりする
→ 「前の会社ではこうでした」は避けましょう。今の環境に合わせる姿勢が大切です。 - “できるフリ”をする
→ 分からないことは正直に聞いた方が信頼されます。 - 報告を怠る
→ 「知らないうちに動いていた」は最も嫌われるパターンです。
8. 初月で評価される人の共通点
どんな職場でも、評価される営業職には共通点があります。
| 特徴 | 内容 |
| 素直さ | 分からないことをすぐに質問する |
| 行動力 | 言われる前に動く |
| 誠実さ | 約束や報告を守る |
| 向上心 | 学んだことを共有する |
営業の世界では、結果以上に姿勢が見られます。
初月の行動が、その後の信頼・チャンス・評価を決めると言っても過言ではありません。
まとめ:初月は「信頼残高」を貯める期間
営業職の転職初月は、焦って数字を追うよりも、
信頼を積み上げることに集中しましょう。
誠実に報告し、感謝を伝え、学ぶ姿勢を見せる。
その一つひとつの行動が、あなたの信用残高を増やしていきます。
そして、行動を“見える化”することで、評価は確実に上がります。
最初の1か月を大切に過ごせば、3か月後には確実に結果がついてきます。
転職初月は、あなたの営業人生の「再スタート」。
焦らず、着実に、信頼を積み重ねていきましょう。