営業職転職後に数字が出ない時の立て直し方

2025.11.13
コラム

〜焦りを成果に変える5つのステップ〜

転職して営業職に就いたものの、思うように数字が出ない。
そんな悩みを抱える人は多いものです。

前職では結果を出していたのに、環境が変わると急にうまくいかなくなる。
「自分に合っていないのか」「もうダメかもしれない」と不安になることもあるでしょう。

でも、安心してください。
営業職で“最初からうまくいく”人の方が珍しいのです。

新しい会社では、扱う商材も顧客層も文化も違います。
最初につまずくのは当然のこと。大切なのは、そこからどう立て直すかです。

この記事では、実際の事例を交えながら「転職後に数字が出ない時の立て直し方」を5つのステップでわかりやすく解説します。


1. 焦りを「分析」に変える —— 現状を冷静に把握する

数字が出ないとき、まず必要なのは「焦らないこと」ではなく、焦りを分析に変えることです。

気合いで乗り切ろうとしても、根本的な原因が見えなければ成果は上がりません。
まずは現状を“数字で可視化”してみましょう。

見直すべき3つのポイント

  1. 案件の質 — 受注確度の低い案件ばかり追っていないか
  2. 活動量 — 訪問・架電・提案などの量は足りているか
  3. 営業プロセス — 商談の流れに抜けや偏りはないか

【事例】Aさん(IT営業)

製造業向け営業からITベンダーへ転職したAさん。
3か月経っても受注ゼロで、上司の「数字が出ていないぞ」という一言が胸に刺さった。

そこで、自分の営業日報を見返すと「訪問件数」は多いが「決裁者へのアプローチ」が少ないことが分かった。
つまり、“話している相手が違っていた”のです。

そこで上司と相談し、「初回商談で必ず決裁者を確認する」ルールを徹底。
翌月には2件の受注を獲得しました。

焦りを“行動の分析”に変えたことで、結果が動き始めたのです。


2. 自分の「強み」を環境に合わせて再定義する

転職後に結果が出ない理由のひとつは、前職のやり方をそのまま持ち込むことです。
新しい職場では、求められる営業スタイルや顧客の期待が違います。

だからこそ、自分の「強み」を環境に合わせて再定義する必要があります。

例)

  • 前職で「スピード対応」が強みだった → 今は「速さ+提案の精度」に進化させる
  • 「人当たりの良さ」が強みだった → 「信頼される情報提供力」として磨く

【事例】Bさん(広告代理店営業)

紙媒体中心の広告営業から、デジタル広告の営業へ転職したBさん。
専門用語やツールに戸惑い、自信を失っていた。

しかし、彼の強みは“顧客との関係構築力”。
そこで、まずは既存顧客にじっくりヒアリングを行い、課題を整理。専門知識は社内のプランナーに補ってもらった。

結果、3か月後にはリピート契約が続出。
強みを「環境に合わせて形を変えた」ことで、数字を取り戻すことができた。


3. 「聞く力」を鍛えて商談の質を上げる

営業成績が伸び悩むと、つい「もっと話そう」「もっと説明しよう」としてしまいがちです。
しかし、成果が出ない営業ほど“しゃべりすぎ”ている傾向があります。

顧客が何に悩み、何を避けたいのかを聞き出せなければ、どんなに良い提案でも響きません。

聞く力を高める3つのコツ

  1. 沈黙を恐れない — 相手が考える時間を待つ
  2. 「なぜそう思われますか?」と質問する — 本音を引き出す
  3. 相手の言葉を繰り返す — 理解と共感を示す

【事例】Cさん(不動産営業)

転職後2か月、成約ゼロだったCさん。
「提案が刺さらない」と悩んでいたが、先輩のアドバイスでヒアリング重視に切り替えた。

「この物件はお得です」と説明する代わりに、「どんな暮らしを望まれていますか?」と質問。
すると、顧客の本音が出てくるようになり、成約率が急上昇。

営業は“話す力”より“聞く力”で差がつくのです。


4. 「小さな成功」を積み重ねて自信を取り戻す

数字が出ない状態が続くと、最も怖いのは自信を失うことです。
モチベーションを保つためには、「小さな成功体験」を積み上げることが欠かせません。

まずは小さな目標から

  • アポイント取得率を5%上げる
  • 提案後のフォローを必ず3日以内に行う
  • 成約1件を目指す

大きな目標を細かく分けて“達成感を得る”ことで、再び自信が湧いてきます。


【事例】Dさん(メーカー営業)

入社3か月で売上ゼロ。焦るあまり、数をこなすことに必死になっていたDさん。

上司と話し合い、「まずは1社の信頼を得る」ことを最優先に変更。
毎週1回、丁寧なフォローを続けた結果、3か月後にその顧客から大型受注を獲得。

“1件の成功”がきっかけで流れが変わった。
焦るより、小さな成果を積むことが立て直しの近道です。


5. 「社内リソース」を使いこなす

転職直後の営業は、「自分で何とかしなければ」と抱え込みがちです。
しかし、営業はチームプレー。社内の人材や仕組みを上手に活用することで成果は早く出ます。

上司・同僚・技術担当・マーケティングなど、頼れる相手は多いはずです。

相談するときは、「困っています」ではなく、
「この顧客への提案で〇〇がうまくいかないのですが、どうされていますか?」
と、具体的に聞くことがポイントです。


【事例】Eさん(医療機器営業)

Eさんは転職後、提案書作成で苦戦していた。
そこで技術担当に同行を依頼し、実際に医療現場でデモを実施。

現場の知識を吸収し、次の商談では自信を持って提案できるようになった。
その結果、見事に成約。

「一人で抱え込む営業」から「チームで動く営業」に変わった瞬間、数字が動いた。


6. 数字が出ない時こそ「成長の時間」と捉える

数字が出ない時期はつらいものです。
しかし、それは決して「無駄な時間」ではありません。

この時期こそ、

  • 商品理解を深める
  • 業界トレンドを調べる
  • 提案資料を磨く

といった営業力の基礎を鍛える絶好のチャンスです。
停滞期をどう過ごすかで、その後の成長スピードが変わります。


7. まとめ —— 「立て直し力」こそ営業の真価

営業職の本当の実力は、「数字が出ている時の強さ」ではありません。
「数字が出ない時に、どう立て直すか」で決まります。

転職後は、誰でも慣れるまで時間がかかります。
焦らず、分析し、強みを見直し、小さな成功を積み重ねていきましょう。

そのプロセスを丁寧に歩んだ人だけが、次のステージに進めます。


【最後に】

数字が出ないとき、「自分は向いていない」と思うかもしれません。
でも、それは“営業力を再構築するタイミング”です。

焦らず、一つひとつを見直せば、必ず結果は戻ってきます。
立て直しの過程こそが、あなたを本物の営業に育ててくれるのです。


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